マスクは臆病者が着けるもの、義務化した保健局職員に「殺害予告」
マスクの着用など、日本では当たり前の話だが、それが徹底できずにどんどん感染を拡大させる米国の信じられない現状をロイター(6月25日)「カリフォルニア州、コロナ新規感染者が過去最多」が、こう報じる。
「カリフォルニア州のニューソム知事は感染者数の増加について、安全対策を十分に講じていないことが主な要因だと指摘。州全域で外出時のマスク着用を義務付ける新たなルールなど、感染予防のための公衆衛生規則を実施しないと表明している郡などの一部の自治体を批判した。規則に従わない郡にはコロナ対策費用に充てる州からの資金提供を停止すると警告した」
これはいったいどういうことか。米国の調査機関ギャラップが4月に実施した調査では、公共の場所で「常にマスクを着用する」と答えた人は36%しかいなかった。「マスク着用」を嫌がる国民が非常に多い。マスクは「臆病者」がつけるものと思われているのだ。しかも、カリフォルニア州では、オレンジ郡とロサンゼルス郡の2つの自治体で6月、マスク着用を義務化した保健局の職員が「殺害予告」を受け、辞職に追い込まれたあげく、マスク着用令も撤回される騒ぎが起こっているのだ。
ニューソム知事は、こうした郡の首長たちに「命がけでマスク着用を徹底させろ」と迫ったのである。
CNN「米国の新型コロナ、南部と西部で感染拡大 対策無視の若者増える」(6月24日付)も、若者たちの意識の低さをこう嘆く。
「米国内の新型コロナの感染状況について、南部と西部で大幅な伸びが見られることが23日までに明らかになった。当局者によると、これらの地域では、感染予防策の対人距離の確保を実践しない若年層が増加。検査で陽性反応を示す事例が増えている。若年層は感染しても軽症で済むが、高齢者などリスクの高い人々にウイルスを移す可能性が高い」
そして、CNNは専門家のこんな嘆きを紹介している。
「米国での感染はまだ第1波が終わっていない段階とみられる。ミネソタ大学感染症研究政策センターのマイケル・オスターホルム所長は、出演したNBCの番組で新型コロナについて、『山火事に近いものだ。現時点で感染者予備軍が多数いる。夏にかけて、あるいは秋に入っても感染が収まるとは思えない。第1波、第2波、第3波と分かれるのではなく、われわれは感染症というただ1つの、極めて困難な山火事を経験することになる』と語った」