タイミングを計りながらも難しく......(明治大学)
こんにちは、明治大学Breakouts!の池田です。
今週の円相場は前週のジェットコースターのような乱高下とは打って変わって、「メリーゴーランド」というべきでしょうか、非常に小さな値幅での穏やかな推移となりました。
6月18日(木)は米ニューヨーク株式市場のダウ30種平均指数が、第2次コロナショックへの警戒感を名目に、利益確定売りが集中して史上4番目の暴落幅を記録しました。その影響は、当然ドル円相場も反映して暴落となりました。
今週の値幅の小ささを見ると、直近の変動幅による投資家たちが株式を現金化してチャンスをうかがっている段階にあるのではないでしょうか。要するに、近日中に再び大きな値動きがあってもおかしくないのです。
――では、そういった値動きに対応するためにはどうすべきなのか?
基本的には、発生したトレンドに順張りすべき、と考えています。
相場に資金が流れ込む局面では、発生したトレンドの方向へ、ジリジリと進んでいく傾向があり、反転するのは困難であるため、逆張りをするにせよタイミングを計るのが非常に困難だからです。
トレンドの発生は、ローソク足分析に基づきます。上方向へのトレンド発生を示唆するのは「大陽線」です。
大陽線は、その名のとおり「大きな陽線」ですので、今回は少し具体的な例を示そうと思います。
上の画像は、陰線の次に大陽線が出現しています。これは「少し下がった後に、大きく上げ直した」ことを示しており、上昇トレンドの発生もしくは継続を表し、買いのサインと考えられるでしょう。
非常に強引ですが、現在のドル円相場のチャートなら、左下の画像のような状況ですね。
《実際に取引するなら》
現状は低迷相場ですが、率直に言って底堅いのかなと思っています。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、外国債券への投資比率を10%台から25%に引き上げたこともあり、ドル需要はある程度の水準まで下がればあると考えられていて、実際GPIFは押し目買いを好んでいるそうなので1ドル=107円は堅いと推察しています。
また、こういった資金の流入による相場の反転にかける際の注意として、予想に反した動きをしたら、すぐに損切りをすることです。投資は自身の立てた仮説が崩れたときがいつでも逃げ時となります。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
GPIFの外債比率引き上げは大きなニュースです。3共済(地方公務員共済組合連合会と国家公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団)もGPIFと歩調を合わせる見通しとなっていることから、約190兆円の運用資産の10%程度がドル買い需要となります。
単純に現在15%である外債(28.5兆円規模)が25%まで調整された場合、47.5兆円まで膨らむこととなり、なんと20兆円ものドル買いが発生することになります。
これでは、ソフトバンクグループがアリババなどの株式の売却で得た米ドルを売ったところで下がる可能性は低いでしょう。
事実、4月以降に米ドル円は106円を割り込まずに推移しています。GPIFのドル買いの噂は、ニュースベンダーなどでも報じられるため、参考にしてみてください。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
6月19日現在 9825円