2020年4月以降の金融市場は、株高が続きました。特に日本の東証マザーズ市場は毎日のように上昇が続き、コロナショック以前の高値を大きく超えるほどの上昇を見せました。
米国では、IT企業が多いナスダックが史上最高値である1万ドルを突破するなどの歴史的な日も迎えました。6月11日に株式市場が下落に転じたことで、上昇相場も一服といったところでしょうか。
一方、今回のコロナショックでビットコイン(BTC)は暴落したのでしょうか? 株式市場や金(ゴールド)と比べると、どうだったのでしょう? といった気になる動きを解説していきます。
大暴落のビットコインはどうなった?
コロナショックで、何が暴落して何が大きく上昇したのでしょうか――。下記の6つの金融商品を選び、暴落が発生した2月末から6月半ばまでの値動きを見てみましょう。
・日経平均株価
・東証マザーズ
・NYダウ平均株価
・米ナスダック
・金
・ビットコイン
2月半ばに1BTC=110万円前後で推移していたビットコインは、コロナショックで40万円前半まで急落。一時は半値以下となるほどの落ち込みを見せました。しかし、その後2か月で107万円まで上昇し、上げ幅をほぼ埋めることとなりました。
一番安定していたゴールドを除くと、底打ち後の上昇率は一時最高となるほどビットコインは上昇したのです。これは、NYダウ平均株価や日経平均株価よりも高いパフォーマンスとなります。
では、なぜビットコインはそれほどまでに上昇したのでしょうか。上昇の要因は、主に(1)半減期(2)マイニング期の好転(3)新規マネーの流入、投資ファンドの存在 ――の3つ考えられます。
(1)半減期
まずは、このコラムで何度も書いていますが、5月にはビットコインの3回目の半減期がありました。過去には、半減期後に大きく価格が上昇したとあって、先走って買った投資家が多いと予想できます。
また、1BTC=40万円は2018年に200万円から価格が急落した後の安値圏であることから、「さすがに安過ぎる」とみて買った投資家も多いことでしょう。
参考リンク:「上昇するビットコイン! その背景にある半減期とはなにか?」(2020年3月10日付、J-CAST会社ウォッチ)
ビットコイン、緩やかに続く「上昇」気流!
(2)マイニング期の好転
ビットコインのマイニングの多くは中国で行われているのですが、3~6月の中国の雨季では、水力発電を使ったマイニングが活性化。安い電気代により、マイニングが行われることで、ビットコインを支えるネットワークが強化され価格が上がりやすくなるとされています。そのため、過去4年間の4月~6月のビットコインの上昇率は優れた結果となっています。
参考リンク;「仮想通貨のアツい季節が到来? キラリと光るビットコインはコロナショックを振り払えるか!」(2020年4月28日付、J-CAST会社ウォッチ)
(3)新規マネーの流入、投資ファンドの存在
仮想通貨投資ファンドとして有名な米グレイスケールは、5月に保有する仮想通貨資産額が過去最高となる約4066億円に到達したことを発表しました。前年比で、ほぼ2倍となる約1926億円の増加となりました。つまり、ビットコインへの投資が以前にも増して進んでいることになります。また、米大手取引所であるコインベースでは、給付金1200ドルの支給日に、同じ額の入金が急増。ビットコインの価格を2万円以上押し上げることとなりました。
では、今後のビットコインはどうなるのでしょうか?
目先のビットコインは、材料が不足していることもあり、株価に左右される状況が続いています。ただし、1BTC=100万円前後と非常に安定して推移しており、急落してもすぐに持ち直す値動きとなっています。
新しいマイニングマシンの登場や、仮想通貨への投資人気の拡大、さらにコロナショック対策となる世界的な金融緩和による投資マネーが溢れています。
このことから、緩やかな上昇トレンドを描くのではないでしょうか。(ひろぴー)