ビジネスパーソンが最も転職したいと思う企業は「トヨタ自動車」で、2年ぶりに首位になった。2位は前年トップの「グーグル」。3位は「ソニー」だった=下表参照。
総合人材サービスのパーソルキャリアが運営する「duda(デューダ)」が、22歳~59歳の正社員の男女5108人を対象に、「転職したい会社」について調べ、2020年6月15日に発表した。
通信やIT関連、「AI」「5G」でランクアップ!
デューダの調査で、正社員の男女5108人に「もし転職するならどの企業がいいか」を聞いたところ、1位は「トヨタ自動車」で、4605ポイントだった。その理由は、
「自動車だけにとどまらない技術研究をしている」
「世界に通用する技術がある」
など、幅広い事業へチャレンジし続ける姿勢に、多くの共感が集まっている。
2位は、4251ポイントの「グーグル」。理由は、
「世界のトップクリエイターが集まっているから」
「ITを用いて最先端の研究開発ができそう」
などが挙げられた。トヨタに逆転されたとはいえ、3位以下の企業とは2倍以上のポイント差があり、引き続き高い支持を集めている。
3位は「ソニー」で1954ポイント、4位は「楽天」の1344ポイントと「常連組」が続くなか、5位は前年10位から躍進した「Apple ジャパン」(1149ポイント)だった。
Apple ジャパンは、2020年度第1四半期(19年10~12月期)の売上高、利益ともに過去最高を記録しており、「世の中の暮らしを変える製品を継続して生み出している」といった理由が多かった。Appleブランドの人気の高さがうかがえる。
また、前年33位から23位になった「西日本電信電話(NTT西日本)」や、43位から28位の「東日本電信電話(NTT東日本)」、53位から30位に躍進した「NTTドコモ」など、通信関連やITソリューションを提供する企業も10位以上、大きくランクアップした。なかでも、「日本電気(NEC)」は105位から31位と大きく順位を上げている。
これらが支持される理由には、「5G」や「AI」などといったキーワードが多く挙がっており、次世代の通信インフラや、技術革新への期待の高まりが見受けられた。ただ、規模の小さいベンチャー企業の新規ランクインは、前年に比べると少なかった。
その一方、「不況」に強いとされる、安定したイメージの中央官庁や東京都庁、市役所などの、公的機関が人気を集めている。新型コロナウイルスの感染拡大で、景気の先行きが不透明であることが影響しているようだ。