終身雇用、同意なき転勤、年功賃金...... 外国人留学生が抱く日本型雇用や就活への違和感

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外国人留学生の定着は企業側の制度や組織マネジメントの問題

   もちろん、不満もある。外国人留学生が入社後に不満を感じる点としてあげたのは、

「労働時間が長い」(51.5%)
「サービス残業が多い」(42.5%)
「休暇がとりにくい」(38.5%)

いった就業環境や、

「与えられている裁量や権限が小さい」(31.0%)

と、若いうちから活躍しやすい環境でないことが指摘された。

   加えて、外国人留学生は日本人と比べて、独立志向が非常に強い。「将来、独立したい」と考える留学生は58.9%で、日本人(23.3%)の2.5倍にあたる。就労環境に不満が募ったところで、独立を叶えられる機会があれば、企業にとっては優秀な戦力を失い兼ねないといえる。

   パーソル総合研究所の上席主任研究員、小林祐児氏は「優秀な留学生を獲得したい企業はまず、形式張ったマナー重視の就職活動ではなく、より具体的な能力やスキルを見極める方向に舵を切るべき」と指摘。留学生を意識した情報提供や機会創出など、日本人とは異なる取り組みが効果を発揮するのではないかという。

   小林氏はまた、「定着するかどうかは留学生のマインドの問題ではなく、企業側の制度や組織マネジメントの問題として捉えるべき。労働時間や裁量・権限、報酬などを改善すれば、自社への定着・安定的に活躍してくれることが示唆された。現状では、言語サポートや制度整備なども不十分であり、今後の外国人材との協働のためにも、一層の充実が求められる」とも述べている。

   なお調査は、2020年2月14日~3月2日に、大学・大学院に通う外国籍の学生300人と、日本の大学を卒業して就いた初職で正社員5年以内の200人を対象に実施。6月18日、パーソルキャリアが結果を発表した。

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