目指すは岐阜県垂井町を「フェアトレードタウン」にすること
清水学長 NGO、NPOとの協働の結果が、すでに出ているということですね。では、企業が求めるNGO、NPOをどのように見つけていけばいいのでしょうか。教えてください――。
神田氏「一番いいのは東京都内にある『一般社団法人 SDGs市民社会ネットワーク』(略称:SDGsジャパン)でしょうね。持続可能な世界の実現を目指して2016年に設立された、日本のCSO(市民社会組織)・NGO(非政府組織)・NPO法人(特定非営利活動法人)のネットワーク組織です。市民社会の立場から、民間企業や自治体、国際機関、政府、他国の市民社会組織と連携した、政策提言活動や課題解決のためのコンサルティングなどに努めていらっしゃいますから、こちらで問い合わせされるのがいいと思います。
また、各地域にある中間支援組織もいいと思います。もちろん当団体へのご相談も大歓迎ですよ。ご依頼があれば、しっかりとコーディネートさせていただきます」
清水学長 ありがとうございます。ところで、「NPO法人 泉京・垂井」の活動について、教えてください――。
神田氏「垂井町(岐阜県不破郡)の町づくりや政策提言や、揖斐川流域で持続可能な流域内循環型社会を、穏やかなことは豊かなことであるという意味で『穏豊(おんぽう)社会』と名付けて、その実現を目指すとともに、垂井町のフェアトレードタウンを目指しています。2011年から始めたイベント『フェアトレード・デイ』は年々、行政や企業の参加も多くなり盛大になってきています。今年で記念すべき10回目を迎えるはずでしたが、新型コロナウィルスの影響で開催ができなかったのは残念ですね。
余談ですが、私たちが開催した『フェアトレード・デイ』への参加がきっかけとなって、三重県いなべ市が昨年(2019年)、フェアトレードタウンに認定されたことは、うれしく思います」
清水学長 「フェアトレード」(Fair Trade=公正な取引、公正な貿易)もSDGsの目標に入っていますから、企業さんも協働してフェアトレードタウンの実現を一緒に目指してほしいですね。さて、最後となりますが、「NPO法人 泉京・垂井」が掲げるSDGsの目標は何でしょうか――。
神田氏「それはもちろん、16と17の平和とパートナーシップです。平和と公正、パートナーシップは、私たちの活動そのものですからね」
清水学長 本日はありがとうございました。
神田浩史氏から、企業とNGO、NPOとの協働について、お話をうかがいました。SDGsより以前の目標であるMDGs(2000年9月にまとめられた「ミレニアム開発目標」)より、さらに前から環境をはじめとした社会課題解決に取り組まれているので、知識と情報の量の豊富さに敬服しました。頼りがいがあり、困ったときには神田氏にアドバイスを求めたいと思います。(清水一守)