就活の「変化のタネ」が芽吹いてきた
もちろん、こういった現行の就活システムを変えていくためには、日本社会全体の認識や理解、企業の採用ルールなどを根本から変えていく必要があり、ひと筋縄ではいかない問題でもある。
けれども、新型コロナウイルスの影響によって、期せずしてもたらされたこうした変化は、来年以降の就活生の就活の在り方や、企業側の採用方法の見直しを余儀なくされるものになるように思える。
今年の就活の中で見つけた「変化のタネ」は、まだある。それは何と言っても、就活のあらゆるプロセスがオンライン化したことである。説明会もオンライン、面接もオンライン。「対面にはやっぱり叶わないなぁ」と思う部分もあるけれど、メリットもたくさんある。
交通費は浮くし、遠方からの学生も参加しやすい。「とりあえずちょっとだけ、話聞いてみたいかも......」的な企業の説明会にも参加しやすい。
もう一つ、うれしいのは履歴書のWEB提出が増えている気がすること。頑張って書いた履歴書の、最後の最後でミスる経験をしたことがある人は、このうれしさに共感してくれるだろう。あのイライラとは、このまま永遠におさらばしたい、と半ば本気で思っている。
「非日常」が「日常」になりつつある中で見つけた、たくさんの「変化のタネ」。新しいタネたちは、今後の就活にどのような変化をもたらすのだろうか。「これまでの就活」と「今年の就活」の良いところがミックスされた、「これからの就活」が作り上げられていくといいな。
期待と不安が入り混じりつつ、「変化のタネ」が芽吹くのを待ってみることにする。(叶多凛)