「暴露本」は出版界の「救世主」だった?
ところが、こんな「暴露本」ブーム、不況にあえぐ日米の出版業界にとっては「予想外の救世主が現れた!」と報じられています。
人々の活字離れが進み、長らく不況にあえいでいた出版業界でしたが、コロナ禍がさらに大きな打撃を与えました。ロックダウンや緊急事態宣言で街の書店が臨時休業したため、本や雑誌がまったく売れなくなってしまったのです。
雑誌には広告が入らなくなり、書籍の発売も延期になる......。そんななか、突如として沸いたトランプ氏と小池氏の「暴露本」ブーム。とりわけ「売れない」とされてきたノンフィクション本の異例の売り上げに、日米の出版業界が沸き立っているというのです。
確かに、「女帝」は発売以来ベストセラーの上位を占めていますし、トランプ氏の「暴露本」は、発売前にアマゾンの1位(ボルトン氏の著書)と3位(メアリー氏の著書)を占めるという「異常事態」で、出版社が早々に大増刷を決定したと報じられています。
政治家としての小池氏とトランプ氏は「怪物」かもしれませんが、出版業界にとっては「救世主」だったようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は「tell-all」を取り上げます。名詞と動詞、二つの使い方をご紹介しましょう。
It's a tell-all book(それは暴露本だ)
It's a tell-all interview(暴露インタビューです)
Please tell all the details(すべて詳細を話して下さい)
I will tell all my troubles to you(すべての問題をあなたに話しますよ)
政治家にとって、話題になって露出が増えることは決して悪いことばかりではありません。都知事選と大統領選と、規模はまったく異なりますが二期目を目指して再選に挑む小池氏とトランプ氏。果たして「暴露本」ブームが凶と出るか吉と出るか? 二人は選挙に勝てるのでしょうか?(井津川倫子)