FX取引で「ナンピン」は要注意!(明治大学)
こんにちは、明治大学Breakouts!の池田です。今週もトレードをしておりませんが、先週に続いて投資哲学を語りたいと思います。FX対抗戦で現在最下位の私ではありますが......。
《ナンピンをしてはいけない》
みなさんは、「ナンピン」をご存じでしょうか。購入した金融商品の価値が低下したときに追加で購入することで、損益分岐点を押し下げる行為のことをいいます。
たとえば110円で1株買って、その価値が100円に下がったときにもう一株買います。そうするとあなたの株の平均取得単価が105円になるため、その株が105円に戻った時点でマイナスが消えるということです。
この手法は証券マンも顧客に対してススメることが多いようで、実際かなり勝率は高いのですが、FXのようなレバレッジ取引でナンピンはかえって自分の首を絞めてしまうことがあります。
《レバレッジ取引》
レバレッジ取引のうち2ケタ以上のレバレッジをかける取引を、私は「ハイレバレッジ投資」として危険なものとして扱っております。それにも関わらず、なぜFX大学対抗戦に参加しているかというと、名目レバレッジと実際にかかっているレバレッジ(実効レバレッジ)に違いがあり、私は実効レバレッジをコントロールしてレバレッジを10倍に抑えられるからです。
名目レバレッジは、口座に自動でかかるレバレッジで、FXなら自動で25倍にかかっています。しかし、実効レバレッジが25倍になるのは、口座余力すべてを投じて取引をしているときだけであって、たとえば名目レバレッジ25倍で口座余力の半分を入れると、実効レバレッジは10倍になります。
その場合ドル円の取引では、建値(買ったり売ったりした値段)から6円ほど逆行しないとロスカットされないので、私はこれが適正値だと考えています。
なぜなら、2018年1月3日のフラッシュクラッシュでの暴落が5円程度だったので、自分の中で「フラッシュクラッシュ耐久値」というイメージを持っているからです。
《結論》
名目レバレッジは必ず25倍ですが、実効レバレッジは自身の口座余力に対して何%投資したかによって変わるので、口座余力を減らすと実効レバレッジは上昇してロスカットされるまでの幅が狭まるので、自身がマイナスを抱えているときに追加購入、すなわちナンピンをするのは愚策であるといえます。
ナンピンは使うとしても現物取引(レバレッジ取引でないとき)のみ使いましょう。
※ 証拠金50万円の場合のロスカットの例は、下記のとおり(1米ドル=100円を想定)。
1万通貨 → 実効レバレッジ2倍 → 50円逆行するとロスカット。
5万通貨 → 実効レバレッジ10倍 → 6円逆行するとロスカット。
証拠金が5万円の場合は、それぞれ1000通貨と5000通貨として考える。
自身の取引手法に合わせて、適正な実効レバレッジを調整すること。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
計画的なナンピンは良いと思うのですが、たいていの場合は、勝ったタイミングが失敗したにもかかわらず、損切りすることができずにナンピンを行うということが多いようです。そうなると、相場に振り回されているのと同じになり、池田さんの言うとおりに自身の首を絞める結果となってしまいます。
また、レバレッジに対する考え方はとても大事です。国内FXは25倍ですが、口座資金に対してどれだけポジションを保有するかで実質レバレッジは大きく変わります。投資では資金管理が重要なため、自分の取引スタイルに応じた適切なレバレッジを知ることがパフォーマンスの向上につながります。
筆者の知る上手な投資家を見ると、短期売買を好み、損切りが狭い人はレバレッジが高く、逆にポジションの保有期間が長いほどレバレッジが下がる傾向にあります。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
6月12日現在 9825円