「国民の大切な情報を粗雑に扱う安倍政権下では反対だ」
さて、ネット上では「口座登録義務化」について、賛成、反対どちらが多いだろうか。ヤフーニュース「みんなの意見」が「マイナンバーに1人1口座登録義務化をどう思うか」と聞いたところ、6月10日14時30分現在(投票総数4万3816票)で、「反対」60%、「賛成」36%、「どちらでもない・わからない」4%と、反対のほうが多かった。
反対の意見の中で特に多かったのは、現金10万円給付の際の大混乱を「口座義務付」の理由にしている政府の姿勢に対する疑問である。
「給付金がネット申請でうまくいかなかった原因は、マイナンバーと個人の口座がひもづけができていなかったからではなく、1人で何度も申請できるなど、システムがあまりにもずさんな構造になっていたためだ。そんなことは、頭のいい官僚諸君にはよくわかっているのに、今回のどさくさに紛れて、国民から反対されてきたひもづけを進めようという意図がみえみえだ。これに気づかない国民が結構いるのだろうなと思うと不安です」
マイナンバー制度の信頼性をもっと高め、普及させることのほうが先だという意見も多い。
「マイナンバーを活用した口座のひもづけは良いと思うが、そもそもマイナンバーの基礎をしっかり固めて、実績を重ねてからすべき事じゃないか? 今回の給付金騒動だってWEB申請の段階でゴタゴタした。マイナンバー制度の目的は、(1)公平・公正な社会の実現(2)国民の利便性の向上(3)行政の効率化だが、マイナンバーと各自治体の住民票システムとの連携がうまくいっていない。だからマイナンバー申請データを自治体が人海戦術で確認を行い、結果、郵送方式よりも時間が掛かってしまった。システムの問題を直すのが先だ」
「信頼性もそうだが、マイナンバーは日ごろの役所がらみの申請などで利便性がほとんど上がっていない。中小企業では従業員のマイナンバー管理に手間がかかってしかたない。源泉徴収されるような個人事業主の場合、先方にマイナンバー通知しなければならず、個人情報がダダ漏れ。1回もマイナンバーが役に立った記憶がない。官僚組織が縦割りだから、ずーっと利用価値が上がらず、普及しないのだと思う」
「コロナの緊急融資の時にマイナンバーの件で自治体に相談したが、民間会社に運営を委託しているらしい。カード読み取り機がいるとか、どこに行けばもらえるのか、値段はいくらか、とか役所の窓口でいろいろ尋ねても教えてもらえず、そのうち断念して郵送に切り替えた。運営会社は? と聞いても教えてもらえないのには呆れた。ひもづけもいいが、委託先の指導をしっかりするべきだ」
IT戦略の能力と、公的文書の管理に問題のある現政権は信頼できないから、反対だという人も非常に多かった。
「今の政府のIT担当能力では10年かかっても無理。78歳のIT担当大臣を即刻クビにして、民間から優秀な若い人をヘッドハンティングしてIT担当大臣と副大臣にしてください。台湾のデジタル大臣オードリー・タンさんクラスの人は、民間で探せば日本にもいるはずです」
「本当は日本も、マイナンバーにひもづけを進めなければならないのはわかっている。しかし、年金システムがハッキング被害にあって、いともたやすく個人情報を奪われたり、公文書改ざんやシュレッダー廃棄など、国民の大切な情報を粗雑に扱ったりする姿を見て、自分の情報も盗まれたり、粗雑に扱われたりするのだろうな、と悲しくなります。現政権、現政治家の作ったシステムには信頼性が皆無と言っても過言ではないと思います。口座情報をひもづける気にはなれません」
「1つの口座のひもづけ義務化も絶対反対だ。まずは甘い口実で1口座登録させ、段階的に全口座をひもづけて、資産から税金を徴収できるシステムをつくるに決まっている。もし、義務化になったら、私はまったく使用していない口座をひもづけます」
「義務化できますか? 生まれたばかりの子も出生届と同時に登録することになるの? 死亡したら口座を抹消するの? などなど、銀行での口座開設や抹消を常に管理する作業が出てきそう。通帳印も作る必要があるし、このような面倒なこと、本当に大丈夫なのか疑問」