【投資の着眼点】急騰する株価を喜んでいいのか!? 新型コロナと株価の「関係」を追ってみた

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   政府は2020年5月25日、東京都を含むすべての都道府県で新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の全面解除を発表した。新規感染者数の減少を受けて、5月31日までの期限を待たずに、経済活動の再開に踏み切ることになった。

   緊急事態宣言の全面解除を受けて、週末の行楽地や平日ラッシュ時の電車も人が増えてきているようだ。また、それらを反映してのことなのか、日本の株式市場も著しい株価回復を見せている。製薬メーカーやIT系企業などの、数多くの新興企業が上場している東証マザーズ市場では、主要な株価指数である東証マザーズ指数が年初来高値を記録するなど、大幅な株価上昇となった。

  • 株価急落のあとには急騰がくる……(写真はイメージ)
    株価急落のあとには急騰がくる……(写真はイメージ)
  • 株価急落のあとには急騰がくる……(写真はイメージ)

マザーズ市場の急伸、バイオ銘柄がけん引

   さて、好調に推移している株式市場だが、改めて感染拡大と株価の変動を、時系列で追っていきたい。

   2020年に入って、日経平均株価は1月17日に2万4115円の高値をつけていたが、3連休明けの2月25日に、前日の海外株式市場の急落を受けて大きく窓を開けて下落した。前日終値比で、一時1000円を超える急落となった。

   なお、2月下旬の海外市場の下落は、米アップル社による売上高予想の大幅下方修正がきっかけだった。

   その後も急落は続いて、3月19日に1万6358円の大底をつけた。1月の高値から、わずか2か月の間に、32%も下落したことになる。新興企業が中心の東証マザーズ市場の下落率はそれよりも大きく、1月の高値の895ポイントから3月の安値の527ポイントまで、41%もの下落だった。

   ただ、その後は状況が一変。日経平均株価指数、東証マザーズ株価指数ともに、記録的な株価回復を見せた。6月1日時点で、日経平均株価は2万2000円台、マザーズ指数は1000ポイントまで上昇し、3月の底値や4月以降の上昇相場で株式を購入した個人投資家は、かなりの利益を手にすることができたようだ。

   筆者も少額だがマザーズ市場に上場する銘柄をいくつか買っていたので、願ってもない展開となった。

日経平均株価と東証マザーズ指数の推移(2020年2月3日の終値を1として筆者が作成)
日経平均株価と東証マザーズ指数の推移(2020年2月3日の終値を1として筆者が作成)

   マザーズ市場の力強い上昇は、新型コロナウイルスの感染拡大による需要増大を見込んでバイオ銘柄(医薬品など)が買われたことや、個人投資家の比率が高いマザーズ市場において、在宅ワークの拡大や外出自粛によって株を始める個人投資家が増えたことなどが、理由として考えられている。

姉妹サイト