また、文政権お得意の「やるやる詐欺」か?
時事通信(6月4日付)「動かない日本に不満 韓国政府」が、こう伝えている。
「韓国政府が6月2日、日本政府の輸出管理強化に関し、世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表したのは、一向に措置撤廃へと動かない日本に不満を募らせたためとみられる。そして最大の懸案である元徴用工問題が進展せず、措置撤廃に動かない日本に対し、しびれを切らし始めた。文在寅大統領は昨年8月、『日本に二度と負けない』と語った。輸出管理強化から1年となる今年7月までに事態が動かなければ、国内で政権批判が高まる恐れもあった」
韓国では現在、従軍慰安婦支援団体の資金流用問題で大揺れに揺れている。特に巨額の横領が明かになった支援団体の代表者だった人物が、今年3月の総選挙で文政権の与党・共に民主党から出馬して当選したからたまらない。文大統領への批判が殺到して、総選挙時には80%台だった支持率が50%台に下落した。
だから、「慰安婦」に代わるもう一つの「反日」材料である徴用工カードを切ってきたという見方もできるのだ。
しかし、時事通信はこう続ける。
「日本政府関係者は『大統領府中枢で現状を好まない考えを持つ人物がいたのではないか』と推測する。ただ、韓国側は『日本との対話は続けていく』(大統領府高官)と柔軟な構えも示している。韓国がどこまで強硬な姿勢に踏み出すか日本側も見極める考えだ」
というから、また例によって文政権お得意の「やるやる詐欺」のようなものなのだろうか。
NHK(6月4日付)は、「『徴用』めぐる裁判 韓国の裁判所 資産売却命令8月以降検討か」で、日本政府側のクールな反応をこう伝える。
「外務省幹部は6月3日夜、『韓国側も、現金化したら大変なことになることは理解していると思う。今後も外交当局間で緊密に意思疎通を図っていきたい』と述べた。また、別の幹部は『日本としては、韓国政府の責任で国際法違反の状態を是正するよう、引き続き求めていくことに変わりはない』と述べた」
韓国メディアも文政権が本当に現金化に踏み切るかどうか、やや懐疑的だ。朝鮮日報(6月4日付)「『日本企業強制徴用』残る1件も賠償手続き開始」が、こう伝える。
「今回の公示送達決定は、韓日関係が悪化している中で最も裁判の進度が遅かった李春植(イ・チュンシク)原告の件でも賠償手続きが開始されたという点では意義がある。ただし、裁判所関係者は『韓日関係の特殊性を考慮すると、公示送達期間が過ぎたからと言って、裁判所がイ・チュンシク氏の件に対してだけすぐに売却命令を下し、手続きを進めるというのは容易ではないだろう』と見ている」
裁判所だけではなく、高度な「政治判断」が絡んでくるというのだ。