自律神経をコントロールできる唯一の方法?
「1週間の引きこもりで起こる筋力低下は、その復活に1か月以上の期間を要します。体力の低下は、それだけでなく気力の低下につながり、うつ状態になる場合も。高齢者は即、認知機能の低下につながってしまうといいます」
と、川村医師。
本書では、体力はもちろん、ウイルスから体を守る「免疫力」を下げずに、できるだけアップさせるための「免疫力を高める10のストレッチ」と「免疫力を高める10の生活ルール」を解説している。
重視されているのは、「呼吸」だ。
免疫力を高めるために大切なことは、「自律神経のバランスを整えること」。だが「自律」の名前が示すとおり、コントロールが難しい。それでも一つだけ方法があって、それが呼吸なのだ。呼吸が浅いと自律神経は「危険が迫っている」と勘違いし、交感神経を過剰に働かせてしまい緊張感やストレスを引き起こし、自律神経のバランスを狂わせてしまう。
そこで大事なのが深い呼吸だ。呼吸が深くなると副交感神経が優位になり、心と体をリラックスさせるようになる。
深い呼吸を促す効果的な方法の一つがこれ。ティッシュを1枚、両手で広げて顔の前で持ち、大きく息を吸ってティッシュが揺れるように息を吐く。そして吐ききったあとに、息を吸わずに、もうひと吐きする。深い呼吸で自律神経が整い、酸素がめぐるので頭が冴え、最後のひと吐きでふだんは使うことがない呼吸筋が鍛えられる。
川村医師のこの「免疫体操」などで、寝たきりになる寸前だった90歳の女性がすっかり元気を取り戻し、軽いジョギングができるようにまでなったという。
「ひざ裏のばしドクターの新型コロナに負けない免疫体操」
川村明著
主婦の友社
税別500円