さまざまなロケーションで、それぞれに趣向を凝らした施設を展開する星野リゾート(長野県軽井沢市)は、新型コロナウイルスで旅行・観光業界に起きた逆風に向かい、次々と対抗策を打ち出している。
非常事態宣言が解除された今後、長期化するとみられる「With(ウィズ)コロナ」期での旅のあり方を模索。その結果、地元に目を向けた「マイクロツーリズム」を推進していくことを宣言した。2020年5月29日の発表。
長期の遠出は「Withコロナ」期の観光にふさわしくない
星野リゾートによれば「観光が感染拡大に貢献しないこと」が、Withコロナ期における観光のあり方の前提。感染対策などが都道府県レベルで行われており、長期の遠出、都道府県をまたぐ移動は、Withコロナ期の観光のあり方にそっているとはいえず、時期的にも適当とはいえない。
そこで、地域内観光であるマイクロツーリズムで、感染リスクを軽減しながら観光需要を創造していくことを考えた。
マイクロツーリズムによる観光業の振興が地域経済に貢献。このWithコロナ期に観光人材を確保できるようにし、その後のafterコロナ期を見据えた観光のあり方も設計したいとしている。
星野リゾートが「マイクロツーリズム」の事例として挙げているのは、東京・大手町の星のや東京を使った首都圏在住者向けの「都内で心も身体もリフレッシュする温泉旅館滞在」や、星のや京都に泊まる関西在住者向けの「奥嵐山で京文化に触れる久しぶりの優雅な1日」。それぞれ「ちょっとした息抜きができる温泉旅館でのひととき」、「館内で京文化を楽しめるおもてなし」を用意したという。