「シューカツに使える企業分析バトル カブ大学対抗戦 Season2」がはじまりました。今季は、早稲田大学と明治大学、一橋大学の3大学が、気になる上場企業をピックアップして事業状況や財務を分析。株式投資に挑みます。その初戦! 今回は、明治大学です。
新型コロナウイルスの影響が日に日に大きくなっているなか、企業は本当の経営力が試されているようにも思える。特に飲食業、中小企業経営者は資金繰りがうまくいかず、国の補助金を待っている状態が続いている。不安が残っているだろう。
さて、そんななか、「シューカツに使える企業分析バトル カブ大学対抗戦」が今年も開幕した。正直、この新型コロナウイルスの影響で長期的な目線で見た投資は地合いが悪いため利益が出にくい。しかし今回、私は財務情報とチャートを主な根拠として中期的な目線で取引をしていこうと思っている。
まず、目を付けたのは「チェンジ」という会社だ。
将来への期待が大きい財務情報
東証第1部に上場する、情報・通信、コンサルティングの「チェンジ」(東京都港区)を選んだ理由は、
(1)過去3年の売上高が毎年上昇、予想も大幅な上昇を見込んでいる
(2)予想ROEは10%以上、ROA5%以上と高い
(3)コロナ需要に乗っかり、4月のIRに多くの投資家が反応
(4)上昇トレンド
の4つだ。
予想ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)ともに高水準であることは上記の(2)でも示したが、ROE、ROAの差が大きくないというところも見ておきたい。この差が小さいということは、極端なレバレッジ経営(借金をテコに成長をめざす経営手法)をしていないということになり、将来的にも安全な企業と言える。
しかし、あえて不安要素をあげるなら、営業キャッシュフロー(CF)がマイナスであることだ。投資CFは前年度と比べて大幅マイナスであるため、事業を大きく拡大していることはわかるが、営業CFで現金の流入がないため、今後拡大した事業がうまくいかないと、現金・預金などは減少してしまうだろう。
また、コロナ需要にもしっかり対応している。下記の「LOGOチャット」はチェンジの子会社である「トラストバンク」が提供しているBtoBのサービスで、インターネット上で従業員同士コミュニケーションを取ったり、資料を提出したりすることができる。元々は仕事の効率化を目指して開発されたが、新型コロナウイルスの影響で、直接会わなくても仕事ができるという理由で多くの自治体が導入した。
この影響を織り込んだIR(インベスター・リレイションズ)が2020年4月に発表され、Yahoo!ファイナンスのチャット欄=下図=でも、多くの投資家が反応した。