浮き足立っている状態で考えがまとまるわけがない!
「法律の本を開いて、ふと気がついたんです。結婚は気まぐれな遊びではなくて、法的なものだと。私のそういう冷静さっていうか、気迫みたいなものが、主人にも伝わったのかもしれません。彼もようやく冷静さを取り戻してきて、私と子供に不快な思いをさせたことを謝罪してくれて、その後は二度とそういうことはありませんでした。私も、自分だって予想外のことに見舞われたら平静でいられなくなるかもしれませんので、主人のその時の弱さを、それ以上責める気にはなれませんでした」
N奈さんは、もし「法律の本」を読んでいなかったら、感情的になって、売り言葉に買い言葉で子供の前で喧嘩したり、追い詰められた彼がさらに感情的になってしまったりして、夫婦関係が悪化していたかもしれないと、振り返ります。
「あとにも先にも結婚の危機はそのときくらいでしたけど、大げさですがあの本が私の結婚生活を救ってくれたと思います。もしかしたら母は、私がパン作りとか着物とか、なんかそういう夢みたいな家庭生活というか、結婚生活のキレイなところだけしか見てなくて、フワフワしてたので、それだけじゃダメだよと、あえて憎まれ役をやってくれたのかもしれません。
結婚祝いにはいろいろなものを頂きましたし、どれもみなさんのお心遣いがうれしかったですけど、やっぱり一番良かった結婚祝いは、母からの『法律の本』でしたね。感情的になりそうなときに、その本が支えになりました」
N奈さんはそう言って、オンラインの画面から穏やかな笑顔を見せてくれました。
もうおわかりですね。長い結婚生活には、愛情と同じくらい、「冷静さ」というのも必要なのです。
会社での旦那さんの異動が原因で、結婚前には予期していなかった夫婦のトラブルに見舞われたとき、N奈さんには『法律の本』という「冷静さ」を取り戻すきっかけがありました。それがなかったら、場合によっては自分を見失っていたかもしれません。
賢いサバイバー女子の皆さんは、「愛情」と「冷静さ」は、結婚生活における両輪のようなものとおわかりいただけたと思います。今回のコロナ禍もそうですが、想定外のアクシデントに見舞われた時に、「冷静さ」を取り戻す手立てを、身近に持っていることが大切なのです。
【きょうの格言】 「愛情」と「冷静さ」は結婚生活の両輪と知るべし!
それでは、また次回!(丸ノ内ミカ)