新型コロナウイルスの影響拡大で、人手不足は大きく減少
また、非正社員の人手が「不足」していると答えた企業(「該当なし/無回答」を除く)は16.6%で、前年同月と比べて15.2 ポイント減った。4 月としては7 年ぶりの1 割台。人手が「適正」と答えた企業は61.7%(0.3ポイント増)で、ほぼ横バイとなった一方で、「過剰」は21.6%で14.8 ポイント増と、大きく増加している。
業種別にみると、スーパーマーケットを含む「各種商品小売」は55.3%(前年同月比0.8 ポイント減)となり、人手不足感が最も高かった。外出自粛に伴い需要が拡大していることで、他業種より割合が高くなっている。
次いで、「電気通信」の44.4%(14.4 ポイント増)が続き、正社員と同様に増加している。「農・林・水産」は38.5%(1.9 ポイント増)で、いずれも人手不足を感じている。
その半面、「メンテナンス・警備・検査」(35.2%、21.0 ポイント減)や「飲食料品小売」(32.4%、31.5 ポイント減)、「医療・福祉・保健衛生」(31.4%、4.6 ポイント減)などの人手不足感は減っている。
また、これまで人手不足が目立っていた「飲食店」は16.4%(62.2 ポイント減)、「旅館・ホテル」は6.9%(47.3 ポイント減)となり、大幅に減少している。
さまざまな業種で人手不足の割合が減少するなか、人手が「過剰」と感じている割合が急増しているのが「旅館・ホテル」だ。インバウンド需要に支えられて人手不足が続いていたが、コロナ禍で訪日外国人の大幅な減少や外出自粛が続き、人手が「過剰」とする割合は正社員、非正社員ともに最も高くなった=下表参照。「飲食店」や「娯楽サービス」でも同様の傾向がみられる。
なお、調査は全国2万3672社を対象に実施。有効回答企業数は1万1961社(回答率50.5%)。2020年4月16日~30日に実施した。雇用の過不足状況に関する調査は2006年5月から毎月実施しており、今回は4月の結果をもとに取りまとめた。