エコノミスト「将来の天文学的な赤字財政に禍根を残す」
エコノミストたちも辛口のコメントが多い。
木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストは、日本経済新聞でこう語った。
「企業個人への支援はいまだ道半ばだ。私は4~9月で消費が大きく落ち込むと見込み、約43兆円の支援が必要と推定した。第1次補正予算と2次補正での企業向け支援は計15.3兆円程度で、必要推定額の半分以下だ。もっと対策費を計上してよかった」
土居丈朗・慶応大学教授は、同じく日本経済新聞で財政健全化の問題を指摘した。
「緊急事態とはいえ、予算のばらまきは避けるべきだ。非常時で財政出は一時的に拡大するが、政府が掲げる基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の2025年度黒字化目標の旗を降ろすべきではない。新型コロナ終息後に財政状況を改善していくために、財政規律を維持することが大事だ。20年度予算でも新型コロナ拡大で不要になった事業があるのだから、それらをきちんと削減するといった取り組みが必要だ」
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは読売新聞で、スピード感の欠如を問題視した。
「1次補正で足りていなかった家賃補助制度や休業手当を受け取れない人への給付金などが盛り込まれたのは評価できる。一方、1次補正に計上された現金10万円の一律給付など、すでに決まった支援策がいまだに行き渡っていないのは問題だ。現時点で財政出動を惜しむべきではないが、将来的な財政赤字も課題だ」