早起きトレードの成果は?(明治大学)
《仲値・ゴトー日トレードとは》
日本の銀行業では9時55分に「仲値」という、その日一日の米ドル円の両替レートが決まります。銀行は米ドルを安いうちに仕入れておいて、仲値を高くして顧客との両替を有利にしようとするので、銀行によるドル買い需要が高まります。
また、ドル需要の高まりと言えば、5と10の倍数の日付、すなわち「ゴトー日」はドルの需要が高まります。なぜなら、輸入企業の決済日がゴトー日に集中する慣習があり、それが大きなドル需要になるといわれています。
《トレード》
5月20日の早朝のスプレッドが開いている時間帯にもかかわらず、1米ドル=107.7954円で500通貨買ってみました。朝早すぎて二度寝しましたが、起きたらドル円が上がっていたので、7時30分には決済しました。利益は41円でした。
《注意点》
仲値トレードやゴトー日は、その手軽さゆえに書籍含む多くのコンテンツで紹介されていますが、安易に「9時55分に上がるのか」といって9時50分ぐらいに買いを入れてみると大概は失敗します。そもそも銀行業などは仲値を吊り上げることよりも、安く米ドルを仕入れるのが目的なので、必ずしも9時50分前後に購入しません。
また、非商業の投機筋はドル需要を見込んで、より早い時間帯にドル買いをして待ち構えているので、むしろ9時50分ごろには「十分な利益が出た」としてドル売りに向かうこともあります。
そのため、早めに起きてドル買いを仕込んでおきたいところです。
《まとめ》
今週は先週の失敗を踏まえて、統計狙いのスキャルピング(わずかな利幅を狙って、一日に何度も取引を繰り返して利益を積み上げていく投資方法)行為をやめました。またすぐに決済してしまわないように、注文を出したらスマホを閉じてしばらく見ないようにしてみました。その結果、注文してから一時的に下がっても、そもそも見ていないため動揺することはありませんでした。
ある程度のレバレッジ調整は必要ですが、あえてチャートを見ないようにすることも悪くはないと思います。OCO決済注文(2つの注文を同時に発注。一方の注文が約定するともう片方の注文がキャンセルされる注文方法)などを用いて、損切りや利益確定は自動化しておいたほうがいいようです。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ゴトー日トレードは、FXを始めた当初に覚える人も多いかと思います。統計を取ったことがありますが、年を通しての勝率はそれほど高くありませんでした。ただ、年度末や極端に円高が進んだ時には、やはりドルが買われやすくなる傾向にあります。
また、仲値通過後に円安が続いた時には東京時間は緩やかに上昇が続く傾向がありますので、そのあたりもチェックしてみるとおもしろいと思います。
仲値のように何度もあるイベントは、統計を取ってみて、値動きの傾向を調べてみると、よりエッジの利いたトレードにつながると思います。
前週からの損益 プラス41円
5月22日現在 9721円