コロナ禍でわかった! 守られるのは「兵糧」を貯め込む会社の正社員だ(城繁幸)

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金融緩和しようが首相が要請しようが賃金は上がらない

   安倍総理は日銀に金融緩和を続けさせつつ、2014年以降7年連続で日本経済団体連合会に賃上げ要請を行ってきた。にもかかわらず、日本人の賃金は上がるどころかジリ貧傾向にある。

【参考リンク】日本、続く賃金低迷 97年比 先進国で唯一減(東京新聞 2019年8月29日付)

   もちろん賃上げする余裕はあったものの、今回のような経済危機に備え、労使が兵糧を積み上げてきたわけだ。今回の『成功体験』で自信をつけた労使は、これからもせっせと兵糧をため込む選択をするだろう。

   そうそう、2021年4月からは改正高年齢者雇用法が適用となり、企業は従業員に70歳までの雇用を確保することが努力義務となる。『要請』と違い法改正は無視できないので、労使はため込む兵糧の量をもっと増やすと思われる。総理や日銀が何をやったところでこのトレンドは変わりそうにない。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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