都のパチンコ業界団体執行部が「抗議の総辞職」
ところが、5月25日に緊急事態宣言が解除されたことで、全国のパチンコ店は東京都以外、一番遅い千葉県でも6月1日までに休業要請が解除される見通しになった。ただ、東京都では小池百合子都知事が発表したロードマップに従い、一番規制が厳しい「ステップ3」に区分けされているパチンコ店は、休業要請の解除の見通しがまったく立っていない。
そこで、これまで都の要請に唯々諾々と従ってきた都遊協に対する都内のパチンコ店の「反乱」が起こった。
東京都とパチンコ店側との間に挟まれて窮地に陥った都遊協執行部の現状を、東京商工リサーチのTSR情報(5月26日付)「東京都認可のパチンコ店団体が苦渋の決断 休業で都と足並み揃わず、執行部総辞職へ」が、こう伝えている。
「都内のパチンコ770店が所属する都認可団体の東京都遊技業協同組合(都遊協)は5月25日、緊急事態宣言の解除を受けて店舗休業を継続するかは各店舗の経営判断に委ねた。東京商工リサーチの取材に、都遊協の担当者が明らかにした」
担当者は、こう語った。
「組合員の9割が休業要請に従った。再開について都に要望を出したが、回答はなかった。これ以上、休業を継続すると事業継続が難しくなる。都遊協として加盟店舗への休業要請をやめ、再開は各店舗に委ねる。十分な補償もなく、まだ協力金も届かず、すでに1か月半の休業を継続している。さらに1か月が見込まれる休業延長には耐えられず、到底受け入れられない」
と業界の窮状を訴え、都の対応に疑問を投げかけたのだった。
ただ、都の認可団体として都の協力要請に応じることができないため、理事長や副理事長など執行部が総辞職することにしたという。いわば、「抗議の辞職」である。これで東京都のパチンコ店は、それぞれの店が客にマスク着用を求めるなどの「感染拡大予防の安全対策」を施したうえ、事実上、勝手に店を再開することになった。