「アフターコロナ」を見通していたスゴイ一冊!? 今後、仕事のやり方はこう変わる

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「ニュータイプ」へのアップデートを

   「人間のマインドが保守的」であることを示すため、19世紀の米西部開拓時代を舞台にした伝説上の人物、ジョン・ヘンリーの物語が引用される。

「誰よりも力強くハンマーを振るうことができた鉄道作業員のジョン・ヘンリーは、当時の最先端技術であった蒸気ハンマーに対して『鍛え上げられた人間がそんなものに敗れるはずがない』と戦いを挑み辛くも勝利しますが、心臓麻痺を起こして死んでしまいます」

このことは「優秀な人材」を示す指標は「筋力」などであった産業革命以前の時代から、もはやそれが通用しなくなりつつあった端境期で起きた混乱と悲劇を、象徴的に示している。

   本書では「これから求められる思考・行動様式とは?」と題して、「ニュータイプのポイントを、「オールドタイプ」と対照させて列記した。

   たとえば、

・オールドタイプが「予測する」のに対して、ニュータイプは「構想する」
・オールドタイプが「奪い、独占する」のに対して、ニュータイプは「与え、共有する」
・オールドタイプが「経験に頼る」のに対しては、ニュータイプは「学習能力に頼る」

などだ。

   依然、政官界、ビジネス界では「オールドタイプ」の人たちがリーダーを務めている。彼らの予測には、もちろんコロナの影響はなかった。

   だが、ニュータイプの人材であれば、予想をハズレることを前提として、柔軟性を持って、いくつかのパターンを考えておくのだろう。

   また、オールドタイプにはひたすら「量的な向上」を目指すという行動様式がある。現代のようにモノが過剰にあふれている中で、オールドタイプの人たちが舵取りを続けていくことは、ますますモノに埋もれていくしかないことを意味する。

   このことからも、新時代にはオールドタイプからニュータイプへと「人材がアップデートされなければならない」というのが著者の主張だ。

   コロナ禍で不確実さがさらに増す今後に向け、キャリア戦略を考えている人にとっては読んでおきたい一冊。

「ニュータイプの時代」
山口周著
ダイヤモンド社
税別1600円

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