新型コロナウイルスの感染拡大を防止する、クラスター対策として病院や介護施設では、入院患者や介護利用者の家族との面会もままならない状況が続いている。家族と離れて暮らすだけでも心細いのに、たまの面会すらできないとなると、それだけでストレスだ。そんな状況を、少しでも緩和しようと新たなサービスがはじまった。
介護サービスの利用者と家族をビデオ通話でつなぐ
●介護福祉事業所向けにオンライン面会サービス
株式会社富士データシステム(静岡市)は、介護福祉事業所向けに新たなオンライン面会サービス「MENKAI GO(メンカイ ゴー)」を開発し、2020年5月26日から無料提供を開始した。新型コロナウイルスの影響で、面会が困難な介護サービス利用者とその家族をビデオ通話でつなぐ。企業が提供するサービスとしては介護業界では初めてという。
カメラとマイクの機能があるパソコンか、タブレット端末などが安全かつ簡単にビデオ通話ができる。専用ウェブサイトからログインIDとパスワードを入力して利用できるので、アプリのインストールなどは不要。利用の申し込みは、特設サイトから。
同社では今後、自社の介護記録ソフト「CARE KARTE(ケアカルテ)」や情報共有サービス「CARE KARTE Live(ケアカルテライブ)」との連携など、機能を拡充した有料版サービスも提供する予定。
●空調を備えたかぶるタイプのフェイスシールド
新型コロナウイルスの感染予防で、飛沫対策用として透明プラスチックなどで顔面を覆うフェイスシールドの市場が急速に拡大しているが、暑さ対策・熱中症対策商品の開発・販売を手がける株式会社空調服(東京都板橋区)は、頭部からすっぽりかぶるタイプのフェイスシールドを開発した。5月26日に、試作品を公開。9月からの販売を目指している。
試作品が公開されたのは「空調フェイスシールド」と名付けられた製品で、ポリエチレン製のかぶるタイプ。フィルターを備えたファンユニットで浄化した空気を取り込み、内部の圧力が外部より高い状態(陽圧)にする。ファンユニットは充電式リチウムイオンバッテリーで駆動し、約10時間の連続動作が可能。
過酷な環境のなかでも安全で快適な作業が行える用具として開発。今後は、実際の使用環境での有効性を検証する。