「社内勉強会」を人材育成の場に
少子化の時代の人材戦略の主眼が、採用から育成へ向かうのは自然な流れだ。今いる人材をどうやって最高の戦力に変えていくか――。著者がその経験から、最適と考えるのが「社内勉強会」だ。
「社内勉強会? 成果が期待できるのか?」。社内勉強会を提案すれば、少なからずこうした反応があるそうだが、そうした反応になるのは、きちんとした社内勉強会の構築ができていないからだという。
学校の発表会のように、誰かを「講師」に仕立てた集会を開けばいいというものではない。「有意義な社内勉強会を定着させるためには、それなりのノウハウ・テクニックが必要」といい、本書では、それが詳しく紹介されている。
本書では、社内勉強会を成長のベースにした、電子書籍アプリ・ソリューション開発会社、インターネットの各種情報サービス事業を行う会社など、実際の例を詳しく紹介。勉強会の存在が、採用での会社の強みにもなっているという。
こうした実例を受けて、「勉強会がなぜ最強の人材の育成の場になるのか」を解説し、勉強会チームの編成の仕方、勉強会の進行役である「ファシリテーター」の役割・振る舞いになどについて述べる。
編成やファシリテーターを最初は社長が務めて軌道に乗せることが重要。本書の後半にはそのための手順・方法が詳しく盛り込まれている。
「社内勉強会が回り出せば、社員の能力、生産性、モチベーション、定着率は確実にアップする」という。
「勝手に人が育っていく!社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け」
渡邉良文著
かんき出版
税別1500円