「最新ビジネスマナーと今さら聞けない仕事の超基本」は、2019年3月の発売以来、若手社会人向けビジネスマナー書の決定版と評価された一冊。発売から1年を経て、なお7刷3万6000部の重版となった。
新型コロナウイルスの影響で新入社員研修を行えないなか、当の新入社員にとっては「自習」のテキストとして、現場の先輩社員にとっては指導のガイドブックとして、「再登板」を求められた。
「最新ビジネスマナーと今さら聞けない仕事の超基本」(石川和男監修、宮本ゆみ子著)朝日新聞出版
知っていれば防げる、あの失敗
著者の宮本ゆみ子さんは、元FM石川・アナウンサーのコミュケーションコンサルタント。メディアでの仕事のほか、10年ほど前からは企業研修や大学・専門学校の講師としてマナー指導を行っている。
監修者の石川和男さんは、建設会社総務部長、大学講師、税理士、時間管理コンサルタントと5つの仕事を掛け持ちする「タイムマネジメントのスペシャリスト」だ。石川さんはビジネスマナーで失敗しても、それを機会に学習すれば次は避けられると指摘。本書が、そのルールやマナーの参考書になるという。
宮本さんはかつて、知らなかったばかりに数々の失敗を重ねたと述懐する。
「私も20代のころは、歩きながらお辞儀をして叱られ、名刺を両手で受け取らずに注意され、無礼講という言葉を真に受け大騒ぎして先輩に怒られ、『賀正』と書いた年賀状を上司に送って間違いを指摘されました。
これらの失敗は、知っていれば、すべて防げたのです。まさに、この本を読んでいれば回避できました」
ビジネスのなかでは名刺交換などのほかにも、取引先の相手や上司・先輩らと同行した際の乗り物の席次、敬語の使い方、電話のかけ方、文書の書き方など、いずれにもマナーやルールがある。