【コロナに勝つ! ニッポンの会社】緊急宣言解除後も続く「自粛」をカバー 出張ショールームにリモートトレーニング

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   新型コロナウイルスをめぐる緊急事態宣言は、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県と北海道で継続されているが、早ければ2020年5月25日にも全面解除される見通しだ。

   とはいえ、すべてが「コロナ以前」ようにはいかない。新型コロナウイルスと「共に生きる」、withコロナの新たな社会を前提に、企業はさまざまな施策を打ち出している。

  • 出張「ショールーム」サービスを開始
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「移動ショールーム」という新しいカタチ

●「ソーシャルディスタンス」も確保

   天井までの高さの室内ドア「フルハイドア」の専門メーカー、神谷コーポレーション湘南株式会社(神奈川県伊勢原市)は、休業が続く住宅関連のショールームに代え、「移動ショールーム」を仕立て、自宅近くや希望の場所で製品を選べるサービスを始めた。2020年5月22日に発表した。

   「夢はこ」と名付けられた移動ショールームは、2トントラックを改造。荷台のコンテナに展示スペースを設けて、最新型のドアやクローゼット扉を配置した。

   新型コロナウイルスが感染拡大する中でも、建築工事は中断することがない一方で、顧客は住宅設備を選ぼうにもショールームを使えず、選べない状況。そんな顧客からの声を受けて、開始した。無料で出向く。同社によると、個人宅までショールームが出張するサービスはドア業界では初めてという。

   ショールーム内は換気に配慮しているが、利用者の見学には説明員は内部には付き添わず、備え付けのマイクで案内するなど「ソーシャルディスタンス」の確保にも注意が払われている。

●自宅にいながらジムのトレーニング

歩行支援用パワードウエアを使った遠隔トレーニングシステム
歩行支援用パワードウエアを使った遠隔トレーニングシステム

   緊急事態宣言の解除を受けて、各県はそれぞれ、施設により続けていた休業要請の解除や縮小を進めているが、地域により対応が分かれた施設の一つがスポーツジムだ。大阪、兵庫、京都の3府県では引き続き休業の対象になっている。

   人の運動機能の補助などを行うパワードウエアの開発・普及に取り組む、奈良市の株式会社ATOUNは、京都府精華町のスポーツ施設、フィットネスクラブ「ピノスけいはんな」と、遠隔地でのトレーニングをより高度にサポートできるリモートフィットネスシステムを開発。運動する人が自宅などに居ながらにして、トレーナーらの指導で「個人の体力や体調、目標に合わせた細かなトレーニング」をすることが可能になる。5月21日にATOUNが発表した。

   リモートフィットネスシステムは、ATOUNの歩行支援用の着るロボット「パワードウエア プロトタイプHIMICO(ヒミコ)」を活用。オンライン会議ツールとの連携で、HIMICOに内蔵されているセンサーが集めたユーザーの活動データを、離れた場所にいるトレーナーもリアルタイムで共有する。

   トレーナーは、映像ではわかりにくい部分をデータにより補完してアドバイスを行うだけでなく、リモートでHIMICOを操作し、ユーザーの運動にアシストや負荷を加えたりすることもでき筋力トレーニングや有酸素運動を的確かつ効果的にサポートできる。

   新型コロナウイルスに対する予防意識の高まりで、緊急事態宣言の解除後も、外出を控えることが多くなるとみられ、自宅で行う運動が重視されると予想される。また、超高齢化社会では健康寿命を延ばすための対策が必須とされる。ATOUNでは、こうした社会状況のなかで求められる「リモートコミュニケーション」「正確な運動状況の把握」などを念頭に開発に取り組んだ。

   今後は、社会情勢などを見きわめつつ、できるだけ早い時期のサービス提供を目指す。

●帰省自粛の学生に福島・会津の企業から支援のエール

ふるさとへの帰省を自粛している学生へ会津の産品を提供
ふるさとへの帰省を自粛している学生へ会津の産品を提供

   福島県会津若松市の農業と食を中心とした地域プロデュースの総合専門会社、本田屋本店有限会社は、新型コロナウイルスの影響で実家に帰省できない一方で、アルバイトがなくなり経済的な不安を抱える会津大学の学生と、会津と周辺の17市町村出身で帰省を自粛している学生を支援する取り組みとして、会津の産品を詰め合わせた300セットを無償提供する。5月21日の発表。

   提供する会津産品は「本田屋継承米(コシヒカリ)」5キロと老舗味噌屋・天宝醸造の「いか大根」1袋、菓子の名店・長門屋のクリームサンドクッキー「湖上の月」2個(バニラ、抹茶各1個)。本田屋のウェブサイトの専用フォームからか、または、申し込み用紙をダウンロードして申し込む。受付期間は2020年6月30日まで。

   同社の本田勝之助社長は、

「未だかつてないような社会情勢となり、親御さんの元を離れて生活している学生さんは、帰省することもできずにどれほど不安な気持ちでいることでしょう。こんなときだからこそ、ふるさと会津のぬくもりを感じてがんばってほしいという思いを込めて、地元の企業からエールを送らせてください」

と話している。

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