「子どもの参加でなごみの効果が高まるのなら......」
――「子ども同伴Web会議」については、外出自粛が長く続き、親も子どもも限界にきていることもあります。大目にみてあげるべきだという「容認」意見が半分くらいありますが、川上さんは個人的には許す立場ですか、それとも反対の立場ですか?
川上さん「場所がオフィスか自宅かの違いだけであって、重要なのはきちんと『仕事』ができるかどうかだと思います。仕事上支障がないのであれば、子どもを抱いてWeb会議に参加することをむやみに否定する必要はないと思います。ポイントは、子どもを抱いてWeb会議に参加することに対する考え方は人それぞれであることを踏まえ、Web会議の画面に子どもが表れた時に、参加者がどのような感情を持つかを把握したうえで適切に判断することだと考えます。
もし仮に、Web会議中に子どもが誰かの発言を遮って中断してしまうようなことがあれば、仕事に支障が出てしまいます。また、シリアスなやりとりの場に子どもを参加させると、雰囲気が損なわれるケースもあるかもしれません。会社組織の会議は、関わるメンバー全員が最高のパフォーマンスを発揮できるように力を合わせなければなりません。そんな『チームでの成果最大化』という観点から見た時に、よほどの事情がない限り、子どもを抱いてWeb会議に参加することには反対です」
――なるほど。あくまで「仕事」というキーワードが大切であるということですね。
川上さん「そのとおりです。しかし一方で、さまざまな活動が制約されている現在、保育園に預けづらい社員もいるはずです。子どもを抱きながらWeb会議する以外に仕事と生活を両立させる方法がない、というケースもあるでしょう。
また、皆で和気あいあいとアイデアを出し合う会議であれば、子どもを抱いてWeb会議に参加するほうが雰囲気を和ませて効果が高まるケースもあると思います。あくまで私見ですが、そういった場合では、参加メンバーと意識を共有した上で、柔軟に対応してよいのではないかと思います」
(福田和郎)