「いつもやるべきことを先延ばしにしてしまう」
「やりたいと思っても、結局行動できない」
「やると決めたことが長続きしない」
「期限ギリギリにならないと動き出せない」
ぐずぐずしていることを繰り返し反省しながら、なおそれを改められない人が多い。
行動には「慣性の法則」が働くので、一度動き出せば勢いがつくという。だが、本書「結局、すべてを手に入れる『すぐやる!』ノート」によると、じつは行動を起こすにはもう一つの問題があって、それは行動しようと思っているときに、行動できなくなるストッパーがあることだ。
「『すぐやる人』になるためには、『行動の慣性の法則』を利用しながら、『動のストッパー』を外す必要がある」。そのための一番の方法がノートを活用することなのだ。
「結局、すべてを手に入れる『すぐやる!』ノート」(藤由達藏著)青春出版社
ノートに託したセルフコーチングの方法
本書で紹介されるのはメンタルコーチングを応用したノート術。コーチングは自発的行動を促すコミュニケーションの方法のことで、コーチの役割をノートに託したセルフコーチングの方法を説いている。
コーチングは1990年代に入って米国で広まり、2000年代に入って日本でも普及するようになった。個人の成長から組織の発展が期待されるとして、企業の管理職や経営者らの研修に導入される例が多かったが、近年は人材開発や組織開発の手法として広まっている。
著者の藤由達藏さんは、コーチングなどを行う会社の代表取締役。「ライフ&ビジネスコーチ」を名乗り、経営者や起業家らビジネスパーソンから、作家などのエンターテインメント系の関係者らなど、幅広い層にコーチングを提供している。
2015年7月に出版した初の著作「結局、『すぐやる人』がすべてを手に入れる」は、文庫版を合わせると45万部を超えるベストセラーに。それでも、なお「すぐやる」ことができないという声に応え、「どうしても行動できないという人のために書いた」というのが本書だ。