「あなただけに」は「わたしのため」じゃない!
なんて言いつつ、やっぱり気になってしまって、初めのうちはちょこちょこメールをチェックしていた。
どのメールも、
「あなただけの特別選考」
「あなただけに送っています」
「あなたにピッタリな企業です」
なんて、キラキラした言葉で飾られている。
いや、わたし自分の大学名ぐらいしか登録してないんですけど......。なぜにそれだけの情報で、「あなたにピッタリ」とかわかるんだ?
案の上というか、当然の帰結というか、「信用ならん。そしてメール多すぎ、うっとうしい!」とやっぱりイヤになった。
結局のところ、当たり前だが、このようなスカウトメールは「わたしのこと」を考えて、「わたしにピッタリ」な企業を教えてくれるなんて、そんな都合のいいものではないのだ。これを言ってしまっては元も子もないかもしれないが、「就活サイト」だってどこかの企業が利益を出すために運営している一つの手段なわけで。そのことに気が付いたとき、こういうメールは冷静にナナメ読みするのが「吉」だなと思うようになった。
「あなただけに」なんて言われてメールを送られたら、そりゃやっぱりちょっとうれしくなるけど、期待はしすぎない。それくらいのゆるい距離感が「就活サイトからの『あなただけ』メール」とのほどよい付き合い方なんじゃないかなと思う。
そんなことを考えながら、きょうもまたメールを一通、削除した。(叶多凛)