「私たちでは思いつかない使い方」を期待
131件のリストをみると、なお興味深い案件が並ぶ。「ストレージ装置、その制御方法およびシステム管理プログラム」は、リモートワークの環境改善に効果を発揮しそうだし、「ウェアラブル臭覚ディスプレイ」は、新型コロナ感染症の対策に使えそうだ。「段差を乗り越えられる全方向移動車輪機構」のように、新型コロナとは直接に関係がなさそうでも、これからのテクノロジーの進化への貢献可能性を感じさせる。
ウェブで用意されたリストでは、図解付きの詳しい説明とリンクしている案件もある。
大嶋教授は、
「今回提示させていただいた特許は、感染の予防や終息、また外出自粛中や終息後の生活に、直接効果がある特許とはいえません。しかし、多くの皆さまの目に触れることで『私たちでは思いつかない特許の使い方』を考えていただけるのではないかと期待しています」
と話す。
特許使用料の相場は、利用して行うビジネスでの売り上げの3~5%が相場。数十万円から、モノのよっては数十億円にのぼるものもある。
「コロナ汚染によるダメージは、かつて経験のないレベルの影響であり、大学も社会の一員として社会貢献をしたい、という決意を表明させていただいた」
と大嶋教授。
東工大のホームページやSNSに、この特許の無償開放のニュースが掲載されると、いつもより多くの「いいね」が寄せられるなど、関心が高まっているという。
特許利用の申し込み期間は、2021年2月28日まで。ウェブサイトから、特許実施許諾申込書をダウンロードして必要事項を記入、申し込むことができる。