【コロナに勝つ! ニッポンの会社】東工大が保有特許131件を無償開放 コロナ禍社会の再起動に使って!

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   新型コロナウイルスの影響は、日本や世界中で深刻なダメージをもたらしているが、それも今は眠る「特許」で克服、あるいは吹き飛ばせるかもしれない――。

   そんな考えから、数多くの特許を持つ東京工業大学(東京都目黒区)が、「社会の再起動への貢献」を目指して保有している特許の無償開放に踏み切った。近年盛んになっているオープンイノベーションでの活用を期待しているという。

  • 東工大・大岡山キャンパスの本館(東京工業大学提供)
    東工大・大岡山キャンパスの本館(東京工業大学提供)
  • 東工大・大岡山キャンパスの本館(東京工業大学提供)

初の試み、殺菌技術やロボット技術も......

   東工大は、新型コロナウイルスの感染拡大による社会の混乱を克服すること目的に、研究・産学連携本部が「社会再起動技術推進事業」を、2020年5月1日にスタート。その活動第1弾として立ち上げたのが「お役に立てれば(Hope to This Helps:HTH )プロジェクト」と名付けた、保有特許131件の無償開放だ。東工大は7日に、その内容を明らかにした。

   研究・産学連携本部副本部長で、このプロジェクトのリーダーを務める大嶋洋一教授によると、無償開放された131件は、東工大が保有する日本特許(他機関との共有含む)のうちの9%程度で、東工大単独で保有する日本特許のうちの4割ほど。「開放の対象は企業に商用で実施されていない案件のみ。今回は、現状ですぐに対応できる本学単独の案件を選択しました」(大嶋教授)。特許の無償開放は、東工大にとっては初の試みという。

   開放対象の特許はいずれも、新型コロナウイルスの感染拡大以前に取得。したがって、コロナ対策のために開発されたものではないが、「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」の社会に貢献できる可能性を秘めたものは少なくない。

   東工大ではプロジェクト発表の際に、「プラズマを活用した包装容器の殺菌技術」や「膨大なプレゼンテーション資料に対して利用者に検索結果を効率的に提供するe-ラーニング(遠隔学習システム)技術」、「要介護者及び介護者を支援するためのロボット技術」などを、有望な候補に挙げている。

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