リズムのよい読みやすさ
「『じつは俺、単位がギリギリなんよ』。『うん、知っているよ』と高橋くん。『このテストはなんとか受からんといけんのよ』。高橋くんは嫌な空気を感じたらしく後退しようとしました。そこで高橋くんに言いました。『そのテストは何でも持ち込み可なんだよ』。そして、こう切り出します。『俺は、高橋を持ち込む!』と」
結果的に、高橋くんを無事に試験会場に持ち込み、解答はすべて書いてもらったそうです。そして、無事に4年で大学を卒業することができました。柔軟性を持った発想が生み出してくれた楽しい経験だったと、大塚さんは解説します。
やはり、人生は楽しむべきですね。
本書では、著者の人生で学んだこと、感じたことが多くの人々に使える形で書き記されています。私たちがいつの間にか忘れてしまっている大切なものを、思い出させてくれます。バリバリの広島弁のリズムが印象的で、その場の情景が浮かぶようです。
一見すると、自己啓発ですが、ビジネスに転用できるものが多く参考になります。悩んで立ち止まってしまったとき、この本を開いてみてください。おもしろおかしく、それでいてハッと気付かされるエピソードは、歩みを進める勇気を与えてくれます。
本当に大切なことを思い出させてくれる、自由な生き方をしたい人に読んで欲しい本です。
なお今回、初出版の夢を実現させた、大塚慎吾さんの前途を祝します。(尾藤克之)