「親日派」美人アイドル議員も吹き飛ばした総選挙での圧勝
韓国政府が日本に対してこれほどの自信を持つのには、もう一つ大きな理由がある。4月15日に行われた総選挙で与党・共に民主党が圧勝したからだった。300議席のうち6割の180議席を占めるという韓国政界史上まれにみる完勝ぶりだった。「政権幹部の不祥事」「北朝鮮への腰抜け外交」などの批判を受け、一時は文政権の支持率は30%台にまで下がったが、新型コロナ対策の効果が圧倒的に高く評価され、現在では支持率が70%台に達している。しかも総選挙では「親日派」が軒並み落選、「反日派」が大躍進した。
文政権を支持している左派系のハンギョレ(5月7日付)「コラム:アベの永続敗戦」が総選挙での象徴的な出来事を、こう伝えている。
「今や韓国の4.15総選挙と安倍政権の新型コロナ対応失敗にともなう日本の世論の変化が新たな局面を作り出している。今回の総選挙の世論は、『親日』を断固として審判した。代表的親日政治家に挙げられていたナ・ギョンウォン議員(自由韓国党)を落選させ、ヤン・スンテ最高裁の強制動員判決遅延に問題を提起したイ・スジン判事(共に民主党)、慰安婦支援団体のユン・ミヒャン正義記憶連帯理事長(共に民主党系)らを当選させた」
ナ・ギョンウォン氏は最大野党「自由韓国党」の共同代表で、「美人すぎる国会議員」として韓国政界ではアイドル的人気を誇っていた。それが同じ選挙区で共に民主党の女性新人候補にあっけなく敗れた。破ったイ・スジン氏は、政治的に中立であるべき判事からの立候補という異色の存在だが、実は現職判事時代に最高裁(大法院)に対して「日本企業の徴用工裁判をなぜ遅らせているのか」と異議申し立てを行った「反日」の闘士だ。「親日派」と目されていたナ・ギョンウォン氏は、「反日」の逆風に吹き飛んだ。コロナの「神風」に「反日」の追い風が加わった形だ。