【日韓経済戦争】日韓衝突から11か月 韓国が「勝利宣言」? 日本の輸出規制中、ついに官民一体で「脱日本」に成功!

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   2019年7月の日本政府による半導体部品の輸出管理強化(輸出規制強化)に端を発した「日韓経済戦争」。韓国で日本製品不買運動の猛烈な嵐が吹き荒れるなど、両国の衝突は11か月にも及んだが、どうやら韓国側の勝利で決着がついたようだ。

   新型コロナウイルスの感染拡大問題に追われ、日本のメディアがこの問題をすっかり忘れていた2020年5月11日、韓国政府が「日本側が輸出規制に指定した3品目すべての安定供給に成功した」と事実上の勝利宣言を行ったのだ。いったいどういうことか。韓国紙で読み解くと――。

  • 日本の輸出規制に打ち勝ったと報じる聯合ニュース(2020年5月11日付)
    日本の輸出規制に打ち勝ったと報じる聯合ニュース(2020年5月11日付)
  • 日本の輸出規制に打ち勝ったと報じる聯合ニュース(2020年5月11日付)

「大変な努力の末、『やればできる!』という自信を得た」

   韓国政府の日本に対する「勝利宣言」は、ソウル市の大韓商工会議所に経済団体代表を集めて行われたた「第2次ポストコロナ産業戦略会議」の場で発表された。韓国ではすでに新型コロナ収束後の本格的な経済再開に向けて動き出しているのだ。

   聯合ニュース(2020年5月11日付)が「日本による輸出規制強化3品目 韓国政府『供給安定した』」で、こう伝える。

「韓国政府の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は5月11日、日本政府が昨年7月に韓国への輸出規制強化に踏み切った半導体・ディスプレー材料3品目について、供給の安定化を実質的に達成できたと評価した。素材・部品・装備(装置や設備)のうち(日本からの)輸入に頼る割合が相対的に高い100品目も、在庫確保の水準を平均の2~3倍に引き上げたと説明した」

   日本が輸出規制を強化したのは「フッ化水素」「フッ化ポリイミド」「レジスト(感光材、フォトレジスト)」の3品目だ。いずれも韓国の基幹産業である半導体生産に欠かせないものだが、ほとんどを日本製に依存していた。ソン長官によると、昨年8月から政府と民間が一丸となり、「脱日本」に取り組んできた。

   日本製に代えて米国、中国、欧州の製品を使ったり、外資系企業の投資誘致や韓国企業の生産拡大などのさまざまな対策を動員したりすることで、ついに供給の安定化を達成したという。

   聯合ニュースが続ける。

「フッ化水素は韓国企業が生産能力を2倍に増強できる工場を新増設するなど、国内の需要に十分な供給能力を確保した。米国や中国製品の試験も終え、一部の製品は現場に投入された。(難関だった)フォトレジストは欧州製品へと調達先を多様化した。米化学大手デュポンが韓国に生産施設を設けることを決めた。フッ化ポリイミドは、韓国化学大手が独自に技術を確保して供給先と共に試作品をテストしており、供給能力が大幅に向上する見通しだ」

   また、「脱日本」の一環として日本以外からの調達を目指している素材・部品・装備の主要100品目に関しては、338品目に拡大。日本以外の全世界に供給先を広げて、在庫量を週単位から月単位にまで徐々に増やした。たとえば、電子制御装置(1週から1.5か月に)、基板素材(2週から2か月に)、バッテリー主要素材(2週から3か月に)といった案配だ。

   しかも、これらの338品目の供給網のリスクを政府が徹底管理する。各企業が第2次、第3次の下請け会社に至るまで部品の供給・生産状況の情報を共有する一方、政府が開発から原資材・副資材の購買と最終製品販売までにいたるすべての過程をリアルタイムでモニタリングするシステムを用意することにしたというのだ。

   「脱日本」に関しては、官民一体となった一大国策企業態勢で臨むというわけだ。

   ソン長官は、こう語って胸を張ったのだった。

「今では高い費用を甘受しても、主要品目を国産化・多角化しなければならないという共感が企業間にも広がっている。日本の輸出規制措置など需給不確実性の中で、大変な努力の末に素材・部品・装備の供給安定化に大きな成果を成し遂げた。『やればできる!』という経験と自信という大きな資産を得た」
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