テレワークで進展する「成果」評価 成否の分かれ目は「管理職」にあり!(大関暁夫)

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その業務、「成果」を評価できますか?

   ならば、管理対象は何か。それは拘束時間から「成果」という視点に移行せざるを得ないということになるでしょう。すなわち、時間ではなく「成果」が管理・評価できる業務であるか否かそこが、テレワークに移行できる業務であるか否かの分かれ道になるとも言えるのかもしれません。

   これを経営サイドに立って考えるなら、経営者自身も給与に見合った「成果」をあげてくれさえすれば、所定勤務時間などという縛りはなくてもいい、という考え方の転換が必要になってくるわけなのです。

   さらに重要なことは、企業が本格的にテレワークを導入する際に、業務の「成果」管理が重要になるということは、同時に「成果」の管理・評価がしっかりできる管理者が存在しているか、という問題にもなってくることです。

   そうなのです! テレワークをスムーズかつ有効に機能させられるか否かは、最終的には自社の管理者の能力にかかっていると言っても過言ではないのです。なぜなら、管理者がテレワークの「成果」を正当に評価できないならば、結局は時間管理に戻らざるを得ないわけで、それではテレワークのメリットを十分には享受できないからです。

   このコロナ危機を機に、今後テレワークを本格的に導入しようと考える企業がたくさん出てくるのではないかと思います。その際に、まずもって必要なことは、制度の作成ではなく、成果を管理・評価できる管理者の育成であるということ。それを理解したうえで進めないと、業務をテレワークに移行しても十分な効果が期待できないだろうということを申し上げておきます。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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