ポケットマルシェ、花き農家にアプリの販路を提供
●栃木・那須でミルクジャム製品化
全国のさまざまな観光スポットでユニークで魅力的なリゾート施設を展開している星野リゾート(長野県軽井沢町)は、新型コロナウイルスの影響によるフードロス問題への取り組みとして、学校給食の休止などで行き場がなくなった生乳を使い「ミルクジャム」を製品化する。2020年5月8日の発表。
生乳の生産は4月から6月がピークを迎える。牛の出産は春先に盛んとなり、出産から1~2か月間に乳量が多いためだ。乳牛の病気予防のため、搾乳は毎日行う必要があり、そのため生乳の生産量は短期でコントロールできない。
今年は新型コロナウイルスの影響から、学校給食や外食産業で牛乳や乳製品の消費・需要が大幅に低下。行き場をなくした生乳を廃棄せざるを得ない状況に陥るおそれがある。
こうした事態を受けて農林水産省は4月21日、酪農家を支えるため、牛乳やヨーグルトをふだんより1本多く消費することを推進する「プラスワンプロジェクト」を開始。星野リゾートは、このプロジェクトの賛意を示し5月8日にミルクジャム製品化の計画を発表。すでに製造の準備に入っている。
製造場所は、栃木県那須町で運営する「日本初のアグリツーリズモリゾート」という、農業についての体験などができる「星野リゾート リゾナーレ那須」。提携関係にある那須町の「森林ノ牧場」で生産された生乳を加工する。
●直売プラットフォームに花き農家も
農産物などの生産者と消費者をつなぐプラットフォームの企画、開発、運営などを行っている株式会社ポケットマルシェ(岩手県花巻市)は、アプリを使った販売に新たに「花き」を加えた。5月11日の発表。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で需要が落ち込み、経営難の悩む農家が増えていることに対応した。
同社の発表によると、新型コロナの影響が深刻化してきた4月中旬から花き農家から、出品の問い合わせが寄せられるようになった。主な出荷先である大都市の感染拡大が止まらず、花の市場価格は低迷が続いている。
ポケットマルシェでは今年4月に期間限定で、東京都内で無人直売所を運営。直売所では食材の野菜と合わせて花を購入する客が多かったことから、アプリでも多くの購入を見込んでいる。
ポケットマルシェは、全国の農業、漁業の生産者から、直接やりとりをしながら旬の食材を購入できるプラットフォーム。2020年5月時点で2300人超の生産者が登録している。常時5000品目以上の出品が揃えられているという。