【どこゆく子育て】15歳未満、総人口の12%まで減少 「先進国と同水準でよかった」では済まされない現実(鷲尾香一)

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重要なことは間断なく手を打つこと

   子どもの数の減少は、日本の少子高齢化の進展によるものだが、10年ごとの総人口に占める15歳未満と65歳以上の数と割合を見ると、以下のようになっている。

   年次  総人口(万人) 15歳未満の人口(万人)  65歳以上の人口(万人)
        (総人口に占める割合)   (総人口に占める割合)
1950年   8320       2943(35.4%)       411 (4.9%)
1970年  1億372       2482(23.9%)       733 (7.1%)
1980年 1億1706       2752(23.5%)       1065 (9.1%)
1990年 1億2361       2254(18.2%)       1493(12.1%)
2000年 1億2693       1851(14.6%)       2204(17.4%)
2010年 1億2806       1684(13.1%)      2948(23.0%)
2020年 1億2596       1512(12.0%)       3605(28.6%)

   1960年代半ばには15歳未満の割合は30%を割り込み、1980年代半ばには65歳以上の割合が10%に上昇。1990年には15歳未満の割合が20%を割り込み、2000年代半ばには65歳以上の割合が20%を超えた。このように、子どもの割合と高齢者の割合には相関関係が見られる。

   「12.0%」という日本の15歳未満の人口に占める割合は、世界的に見てもかなり低い水準だが、総じて先進国を中心に少子高齢化は進んでおり、たとえば隣国の韓国の割合は12.4%、イタリアは13.4%、ドイツは13.5%にとどまる一方で、タンザニアは43.7%、ナイジェリアは41.8%と開発途上国では高い割合を示している。

   この数字を見て、「先進国だから仕方ない」「他の先進国と同じ程度のレベルでよかった」などと楽観視してはいけない。10年後には、さらに約200万人が減っている可能性がある。そう考えると、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、先行して学校を休業した判断は「子どもの命を守る」という点ではよかったのかもしれない。

   とはいえ、総人口に占める15歳未満の割合が10%を割り込まないようにするためにも、間断なく少子化対策の拡充を図っていくことが重要だ。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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