在宅でやりがち「してはいけない」上書き
新型コロナウイルスによる感染拡大で在宅テレワークに切り替えている人が増えている。榊さんは4月上旬に執筆中だったという本書で、在宅で仕事をしている人の中にもExcelをめぐって新たな課題への対応に悩まされているのではないかと述べる。
在宅でテレワークによりExcelを操作する場合、考えられる方法は二つ。クラウドのストレージにアクセスするか、共有サーバーにアクセスするかだ。
リモート操作ではいずれにも困った問題があり、それは、一つのファイルを複数人が更新し保存競争が起きる可能性があることだ。一人がローカルで修正したファイルを、もう一人が更新したファイルに上書きしてしまう場合などだ。
共有ファイル上で行われた更新が、複雑で重要なものだった場合は、個人的な労力のロスでは済まされない損失になることもある。
テレワークのような環境ではルールの設定がさらに必要性を増す。ファイル共有の問題で考えられる解決ルールも二つ。一つはクラウドストレージのバージョン管理の機能を活用すること。もう一つは、ファイル名に更新中であることを明記して上書きを防ぐことだ。付随して、メールやチャットで、割り込み問い合わせができるようにしておくオプションも考えられる。
本書では
「アクティブセルをA1に戻すのは『絶対』」
「列はグループ化、行の非表示は禁止」
「SUMIFS関数を使うならSUMIF関数は使わない」
「セル範囲を選択しない一括変換は危険行為」
「普段から決まったフォントだけを使う」
などの、実施しないとどういうミスが考えられるかを解説しながら、50項目の「定めるべき」ルールを紹介している。
「時短しながらミス撲滅 Excel 無敵のルール」
榊裕次郎著
インプレス
税別1500円