コロナ後のオフィスには「おいしいコーヒーが必要」?
グーグルとフェイスブックが年内まで在宅期間を延ばしたのは、裏返すと新型コロナウイルスの感染に対して「職場の安全は100%保証できない」ということ。世界最先端の技術を誇る両社でさえ、完全にウイルスをシャットアウトした「安全な職場」を提供することは難しいと考えているのでしょう。
欧米メディアによると、「職場でのウイルス防止策」として、オフィス入り口に自動検温装置を導入したり、職場の人数が一定数を増えると自動的に通知が届いたりする仕組みや、空気清浄状況を示す携帯用アプリなどの「ハイテク技」を取り入れる企業が増えているそうです。
コロナウイルスの感染拡大で人々の生活パターンが大きく変わり、人と人との距離を保つ「ソーシャルディスタンシング」が定着した今、英国バークレイ銀行の頭取は「都心の立派なビルに何千人もの従業員が出勤する働き方は『be a thing of the past』(過去の遺物になる)」と断言しています。
一方、こうした「職場のハイテク化」「在宅勤務の推奨」が進む中で、「一番必要なのは『おいしいコーヒー』だ」とする声もあります。
英国の企業コンサルタント曰く、
「これからの企業は、会社に出勤するのをためらう従業員をオフィスに引き寄せる工夫が必要だ。職場で『おいしいコーヒー』を提供することが必要になってくる」
とか。
「ハイテク技」か、それとも「おいしいコーヒー」か――。職場のコロナ対策は「これから」が本番です。
それでは「今週のニュースな英語」は、バークレイ銀行頭取の「be a thing of the past」を取り上げます。 まずは、一番シンプルな表現から。「もう、終わったことでしょう?」「何を今さら」といったニュアンスで使います。
It's a thing of the past
(それは、過去のことだよ)
The boom is a thing of the past
(そのブームは、もう終わったよ)
The romance between us is a thing of the past
(私たちの恋は終わった)
「コロナ後」で私たちの働き方がどう変わっていくのか。変わる職場と変われない職場との格差がますます広がっていくのか。先はまったく見通せないですが、新型コロナウイルスが「a thing of the past」(過去の遺物)だと言える日が早く訪れることを願うのみです。(井津川倫子)