FRBの政策金利発表に注目! プラスを積み上げ(明治大学)
今週(2020年4月27日週)の市況をみると、FRB(米連邦準備制度理事会)が日本時間の4月30日3時にFOMC(米連邦市場公開委員会=政策金利決定会合)の結果を公表しました。市場予想はCME(シカゴ・マーカンタイル取引所=金融先物取引所)のFF金利(フェデラル・ファンド金利=米国の代表的な短期金利)先物によると、据え置きが優勢でありましたが、サプライズでマイナス金利を導入したら、ドル円急落もあり得ると考えていました。
たとえば、現在のように低金利政策が施行されていると、お金の借り手が少ない利子で借り受けられるため、より積極的にお金を借りて経済活動を起こしやすくなります。その場合、株式市場は盛況となり、株高・通貨安になりやすい傾向があります。
しかし、政策金利発表時にはその逆の動きを見せることが多いようです。それが「噂で売って事実で買う」という相場の格言です。
米国の「政策金利」をめぐるトレードについて、考えてみます。
(1)FF金利先物で市場予想は利下げ、据え置き、利上げのいずれであるかを確認します(利下げ織り込みの場合)。
(2)利下げが予想(噂)されている場合、市場参加者は米ドルを保有したときに得られる金利が減るため、米ドルを手放そうと考えます。そうすると、米ドルの需要が減って価値が下落します。これが「噂で売る」に当たると考えます。時刻は、FRBの政策金利発表の数時間前から2時59分までの動きです。
(3)そして、その「噂で売る」という市場心理は拡大していき、実際の利下げによるドル需要の低下よりも、余分にドルが売られることがほとんどでした。そのため、米政策金利決定会合で予定どおりの利下げが行われた場合に、売られすぎたドルの買い戻しが発生します。これが「事実で買う」に該当し、一時的にドルの価値が急騰します。時刻は3時の値動きです。
(4)米ドルの価値が一時的に上昇しますが、それもいずれ勢いを失います。なぜなら実際の金利は下がっているからです。そして直近の高値まで上昇した後、数時間から半日をかけて欠損した米ドルの価値に応じて下落します。
なお(3)と(4)のあいだ、3時30分からパウエルFRB議長による会見が行われますので、発言に警戒しましょう(参照リンク)
FX大学対抗戦のスタートから、この2週間の取引は、他大学の結果をみてから動きたいと考えていたため、取引数量(ロット数)を口座の10分の1以下に抑え、決済を早めにしていました。来週以降は、取引数量を増やして積極的に利益を増やすことを目指します。
4月27日(月)
1米ドル=107.3546円、107.3605円、107.3669円で合計600通貨を買い。3つのポジションを、107.3345円で一斉に決済。マイナス14円。
さらに、1米ドル=107.0967円(230通貨)で買い。107.1529円で一括決済。プラス12円。
4月30日(木)
1米ドル=106.6971円(250通貨)で売り。106.6703円で一括決済して6円のプラス。さらに、106.6227円(250通貨)で売り。106.6149円で決済して、1円のプラス。
◆ 児山将のワンポイント・アドバイス
4月のFOMCでは、事前に利下げや市場への資金供給を行っていたため、現状維持となりました。池田さんは、投資で大事な噂=思惑を見ての取引のようです。FXを始めた経験が浅い中で、FRB議長の会見や債券利回りをチェックする人はあまりおらず、視野の広さと情報収集力の高さが評価できます。
直近では、ワシントン・ポストが「米国は中国が保有している米国債務の一部を帳消しにすることを検討」と報じられた(クドロー国家経済会議議長は否定)こともあり、若干ドル売りに傾いています。帳消しにするとデフォルトになるため、可能性は非常に低いと思われますが、このあたりのトランプ大統領の発言や思惑がドル円相場を動かす材料となりそうです。
前週からの損益 プラス6円
5月1日現在 1万19円