【投資の着眼点】誰が「トク」したのか? 史上初! 原油先物の「マイナス」価格、そのとき投資家は......

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商品先物市場は「ゼロサム・ゲーム」だ

   さて、そんな中国銀行は4月20日、WTI原油先物5月限を1バレル=マイナス37.63ドルで決済している。そのため、中国銀行の投資商品「原油宝」の顧客は、損失に見舞われた。これを受け、「原油宝」の取引を停止する処置が行われた。

   中国ほどの規模ではないが、日本人の個人投資家でも、「値ごろ感」を理由に原油先物を買って損した人はいたようだ。

   インターネット上では損失の報告が多かったが、一般に商品先物市場は「ゼロサム・ゲーム」である。つまり、誰かが損しているのなら、他の誰かがその分得をしているということである。では、今回は誰が得をしたのだろうか?

   考えられるのは、商品先物市場における「順張り型」のシステムトレード戦略トレーダーだろう。

   1980年代、米シカゴで「タートルズ」と呼ばれるシステムトレーダーの集団が、商品先物相場で大成功を収めたことで知られているが、当時の手法を使用していれば、今回の下落でもかなり早い段階で「新規売り」で参入することができていたはずだ。

   そして、1980年代の伝説のトレード戦略は、現代においては米国のCTA(商品投資顧問業者)と呼ばれる業者の多くが採用する戦略に影響を与えている、とされる。

   彼らは一般的に、商品先物や通貨、株価指数先物などの幅広い金融商品にシステム的な戦略を用いて分散投資していて、多くがショック時に強い順張り型のトレードをしている。

   今回の相場において、おそらくCTAと呼ばれる彼らが、大きく利益を上げたのだろうと推察される。(ブラックスワン)

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