岐阜市の2社が「エアロゾルボックス」で協業
●医療従事者を保護する「エアロゾルボックス」多様化して販売
新機軸のベビーカーや電動車いす、防護具の開発、製造・販売を行う岐阜市の株式会社キュリオは、アクリル製の装備品を手がける株式会社プロスパー(岐阜県羽島市)と、新型コロナウイルスの感染者の頭部を覆って飛沫などの飛散を防いで、医療従事者を保護する「エアロゾルボックス」を開発。医療現場への販売を始めることを、5月6日に発表した。
台湾で医師らにより考案されたアクリル製ボックスである「エアロゾルボックス」を参考に、プロスパーが試作。50台を全国25か所の病院へ無償提供。その後、改良などの要望を受けて開発したのが、今回の「エアロゾルボックス」だ。
キュリオと香川大学創造工学部の井藤隆志教授が共同でデザインなどを行った。ストレッチャーに載せる幅の狭いものや、側面のパネルをスライド式にして取り外せるようにしたものなどバリエーションを増やした。
●対面で使う「飛沫飛散防止パーテーション」
建築部材の製造・販売を手がける福岡県朝倉市の株式会社オークマは5月7日、打ち合わせや接客などの対面時に使う「飛沫飛散防止パーテーション」の取り扱いを始めた。新型コロナウイルスによる感染の予防が求められるなか「少しでも快適に過ごす」手段として開発した。
透明アクリル板を、木製の受け台に差し込むシンプルな構造で、組み立てや工具は不要。アクリル板の大きさにより種類は3種類(90×60センチメートル、90×70センチメートル、92×90センチメートル)。価格は9900円~1万9800円(税込、送料別)。
●透明ポリ袋が使える簡易仕切りフレーム
プラスチックパイプのメーカー、株式会社高永化学(大阪市)は、新型コロナウイルスの飛沫感染の防止策として、企業のオフィスや店舗での販売窓口、公共機関の受付などで、透明ポリ袋を使って簡単に設置できる「簡易仕切りフレーム」を開発した。5月4日の発表。
組み立てはパイプにジョイントを差し込んでフレームを作り、この上から透明ポリ袋をかぶせるだけ。S(幅60センチ×高さ76センチ)、M(87センチ×80センチ)、L(127センチ×80センチ)の3タイプ。価格はSが1484円、Mが3094円、Lが3214円(いずれも税別、送料別)。
「ブランド品質」の縫製会社がつくった医療用ガウン
●2か月で約15万着の医療用ガウンを製造
「KEITA MARUYAMA」などの婦人服を手がける、アパレルベンチャーのヴァレイ(奈良県上牧町)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で医療現場で不足している医療用ガウンの製造を始めた。2020年5月6日に発表した。
ヴァレイには、縫製職人約200が登録している全国ネットワーク「マイホームアトリエ」があり、このうちの50人と契約工場とを合わせ、2か月間で約15万着のガウンの生産が可能と見積もり。このうち、不織布製の10万着を国に納品。ポリエステル製の5万着を販売する計画。
ポリエステル製の販売については、作業用品を扱う株式会社たまゆら(大阪府枚方市)と代理店契約を結び、同社のルートを通じて販売していく。
●長崎・壱岐の華、消毒用高濃度アルコールを製造へ
長崎県壱岐市で大正年間以来、麦焼酎「壱岐の華」を作る株式会社壱岐の華は、新型コロナウイルスの影響で消毒液が不足していることを受け、消毒液として代用可能な高濃度アルコールのスピリッツ「IKINOHANA ALC.62」の生産を始めた。5月11日から、医療機関や福祉施設向けに出荷を始める。 壱岐の華では、3月23日付で厚生労働省の通達に応じ、既存の焼酎製造設備で条件を満たす高濃度アルコールの生産が可能かを調査。消防本部によるチェックや製造免許の追加取得などの手続きを経て、製造・出荷できるようになった。
「IKINOHANA ALC.62」は500ミリリットル入り、税別1480円(酒税310円を含む)。5月中旬からは、酒類として長崎県内の一般小売店へ供給する予定だが、医療機関などからの受注が多い場合は、一般販売を中止するという。