「大阪モデル」に感染症専門家は賛否両論
「大阪モデル」について、感染症の専門家はどう見ているのだろうか――。朝日新聞(2020年5月6日付)「時々刻々 大阪モデルの行方は――専門家の見方は」で、関西福祉大学の勝田吉影教授(渡航医学)は、警戒信号の「点灯」と「消灯」の基準が示されたのがポイントだと評価したうえで、
「いつになったらこの状況が変わるのかという出口戦略が求められる。併せて再び感染者が増えた場合に対策を厳しくする『入り口』を示したことで納得は得られやすい。(ただ)対策を緩めることで感染者が再び増える恐れがある。自粛解除された大阪にほかの地域から人が来た時の対策を考えておく必要がある」
と指摘した。
5月6日のTBS系、朝の情報番組「グッとラック」で、小林寅喆(いんてつ)東邦大学教授(感染制御)「(吉村)知事が言っているように、大事なことは『見える化』です。根拠を示し、どうすれば自粛が解除されるかがわかります。ただ、東京はまだ100人弱の感染者が出ているので、このような数値を出すにはまだ時間がかかるでしょう」
また、関西テレビニュース(5月6日)のインタビューに応じた「りんくう総合医療センター」の倭正也(やまと・まさや)感染症センター長は、
「現場の生の声を聞いたような議論で決まっている数字ではないな、という印象を強く持ちますよね。(重症者の病床使用率60%未満というのは)もうちょっと下げるべきだと思う。当院での現状を見ても、せめて50%未満くらいにはしとかないと」
と、厳しい見方を示した。
「大阪モデル」に関しては、専門家の間でも自粛解除の基準の「見える化」については一定の評価があるものの、中身については賛否が分かれた。