「第3軸」のコンセプト型とは何なのか?
では、コンセプト型とは、なんなのか――。たとえば、ファンド名に「グローバル・ロボ」や「グローバル・フィンテック」といった名前のファンドは世の中に何本かあり、昔ながらの分類ではアクティブ型に分類されています。しかし、それらのファンドは世界株式指数(インデックス)のことを、おそらく少しも意識なんてしていないでしょう。なぜなら、「世界のロボ企業」や「世界のフィンテック企業」というコンセプトで縛っているファンドだからです。
そのファンドが銘柄を選ぶコンセプトや、そのコンセプトが想定する時間軸に共感できれば、たとえ短期的な相場変動があったとしても右往左往することなく、じっくりと長期保有できるのではないかと考えています。
コンセプト型のひとつに、「メガトレンド株式」があります。日興アセットマネジメントは、世の中を変えるイノベーション(変革)のコンセプトのことを「メガトレンド(巨大な潮流)」と呼んでいます。
新型コロナウイルスの感染拡大が私たちに与えた影響は非常に大きく、今後の社会のあり方や価値観さえも変えてしまうのではないかとの見方があるほどです。
そうしたなか、ロボやフィンテックのような「メガトレンド」を引っ張るような企業は、革新的な製品やサービスを提供することで、今後も市場のシェアを拡大することが期待されます。
もともと人手不足から進んでいた工場の自動化投資が、新型コロナを機に加速する可能性があります。また、現金から感染リスクを敬遠する動きなどから、キャッシュレスによる決済が今後ますます進み、それが後戻りすることはないとみています。
もちろん、短期的には市場が不安定な動きとなることも想定され、値動きも大きくなる可能性も考えられます。しかし、投資信託に投資する人には、近視眼的にならず、長期的な成長が期待できるコンセプト型の株式ファンドを、資産運用の新たなエンジン役となる「第3軸」として押さえてほしいと考えています。(日興アセットマネジメント マーケティング部 山口亮二)