「自粛しなければいけないのにパチンコに行く夫を見て、失望した」
「トイレに行っても手洗いもうがいもしない夫。子どもにうつすかもしれないのに...。ちょっとくらいウイルスもらったほうが抗体できると...。呆れた!」
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、夫婦間の溝も広がっているようだ。コロナ禍によって、「奇しくも夫の本性を知った」として、離婚を考える人が急増しているもよう。なんと4割の人が「コロナ離婚」を考えているという意識調査をみると――。
コロナ禍が暴いた「夫の冷たい本性」にショックを受ける妻
コロナ離婚の意識調査を、2020年5月1日に発表したのは女性向け総合メディアの「Lip Pop」。20代から50代の男女100人を抽出。「コロナ離婚を考えたことがあるか」「もし考えているなら何が原因だったか」と、ネットを通じて詳しく生の声をヒアリングした。
100人のうち女性が82%、男性が18%と女性の回答が圧倒的に多かったが、「離婚を考えるようになった」(10%)、「(離婚の)後押しになりそう」(13%)、「(離婚を)考えるようになりそう」(15%)と、回答者の38%が「コロナ離婚」に傾いていることがわかった。
「コロナ離婚」を考えていない人は62%だった=図表1参照。年代別にみると、「コロナ離婚」を考えている人は40代に多く、半数近い46%に達している=図表2参照。
新型コロナウイルスの蔓延によって、さまざまな環境変化が日常生活、家庭で起きている。夫がテレワークによって在宅勤務になり、四六時中家にいるのに、家事をまったく手伝わずにストレスを抱え、離婚を考えるようになった女性が多い。
26歳の女性は、こう不満をぶつける。
「一番の影響は、やはり主人が在宅勤務をするようになったことです。今まで主人のいない時間がひとりの時間であったため、自分の好きなタイミングでご飯を食べたり、掃除機をかけたりできていました。主人が何も手伝わないので、ストレスが溜まって離婚を意識するようになってきました。家に居ても気を使わないといけないことが一番の負担になっているのだと思います」
別の25歳女性も、まったく非協力的な夫にこう憤る。
「夫が在宅勤務になり、毎日家にいますが育児を何もしません。現在1歳の子どもがいますが、保育園にも通わせられないので自宅で育児と家事をしています。私は通常どおり職場での勤務なので、子供をみていられません。夫に『子どもの面倒をみてて』と頼むと、『俺も家で仕事しなきゃいけないから無理』と断られました。こんな夫に預けるのも心配なので、泣く泣く親に来てもらい、面倒をみてもらっています」
35歳女性も、こう嘆くのだった。
「夫がテレワークするようになり、ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。私はリモートワークができない仕事なので、コロナ前と同様に出勤していて帰りも遅いです。せめて、食材の買い物や夕飯の支度くらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。せめてお昼の食べ残しの後片付けくらいできるでしょと思って、二人の生活にうんざりしています」
「経済を回している」という屁理屈で地方へ旅行に
次いで多いのが、全国民が自粛に協力してコロナと立ち向かっているというのに、パチンコ店に行ったりする自分勝手な夫の言動に「本性がわかった!」「価値観が違い過ぎる!」と失望するケースだ。
41歳女性が、夫の人間性をこう疑う。
「コロナで自粛しなければいけないのに、パチンコ店へ行ったり友人と遊びに行ったりする夫を見て、価値観が本当に違うのだなと思いました。注意をしても出歩いているのでがっかりします。子どもにうつすかもしれないのに。子どものことを考えられない父親ならいらない、離婚したいと思うようになりました。コロナが流行り、夫の本性がわかった気がします」
31歳女性は、夫の屁理屈にうんざりしている。
「これまで金銭感覚や道徳観などは夫と私はよく似た価値観だと思っていたのですが、今回のコロナでかなり違うことを知らされました。私は自粛といっても日本の法律上の限界で『ほぼ禁止』の意味合いと理解していたのですが、夫はあくまでも『本人の自由』という考えです。美容室に行ったり、衣料品を買い物したり、私からすると何も今この時にしなくてもいいことを、『経済を回している』とか言っていつも通りにしています。先日も地方に住む夫の両親から、連休中に遊びにこいと連絡があり、主人は二つ返事で行ってしまいました。そのことで大喧嘩しました。この先この人とやっていけるのか不安を感じています」
ほかにも、経済的な不安から夫に不信感を抱くようになった妻もいる。46歳女性がこう明かす。
「やはり収入面です。以前から旦那は自分の好きな事ばかりして、収入は不安定でした。私は安定した仕事をしてほしいとお願いを続けました。そしてこのコロナで、ますます旦那の仕事の収入は減り、私は我慢の限界にきています。これでももし、キチンと考えてくれなければ私ももう離婚を考えなければならないなあと最近考えております」
今回のコロナ禍は社会のさまざまな問題点をあぶりだしているが、夫婦間も例外ではないようだ。逆に絆が深まったケースがあればよいのだが――。
なお、調査は2020年4月27日に20代25人、30代38人、40代22人、50代15人の男女100人(女性88人・男性12人)を対象にインターネットを通じて行った。
(福田和郎)