「空白」をもっている人は、きっと魅力的な人
「だから海外はいい」とか、「だから日本はダメだ」なんて言うつもりは毛頭ない。ただ一つだけ言いたいのは、「空白」の期間がもっと評価されるような社会になったらいいのになあ、ということである。
日本の就活のシステムは新卒採用が主であり、既卒で「空白の期間」を持っている人は応募すらできない、なんてこともある。
これは「空白」がムダ、「空白」は生産性がない、「空白」は効率的でない......。つまり、「評価に値しない」「ふつうじゃない」というレッテル貼りではないのか!
その「空白」に、いったい何が詰まっているのか、聞こうともしない。その人がメチャメチャおもしろくて、独創的な何かを持った、いい人材かもしれない。そう思うと、こういった採用の仕方をしている企業は、あ~あ、もったいない! なんて......。
端から見れば、 回り道のように思えるかもしれないけれど、「空白」の期間に学べることって、じつはたくさんあるのではないかなと思う。今、わたしたちの目の前に現れている「空白」の期間も視点を変えれば、「自分次第で何かを詰め込むことができる。自分をさらに魅力的にするための準備期間」とも捉えられるのではないか。
誰も予測していなかった今回の「空白」の期間。一人ひとりが、それぞれのやり方でこの「空白」を埋めていくことを通して、いろんなカタチの「空白」がその人にとって充実した期間になり、それを寛容に受け入れられるような社会になったらいいな、と外出自粛の日々に、友達の顔を思い浮かべながら、考えてみた。(叶多凛)