原油価格の下落に不安、取引は見送り(専修大学)
結論から言うと、今週の仮想通貨取引は、どの通貨にも手を付けることはできなかった。その理由は、WTI原油先物価格の下落が著しかったためだ。
● ロシアとサウジアラビアの協定破棄の際のWTI原油先物の動きとビットコインの動き
2020年3月6日に、原油の二大生産国であるロシアとサウジアラビアが、これまでの協調体制を破談としました。この決裂により原油価格は下図(資料1)のように下落していった。結果、1バレル50ドル近くあった原油は1バレル30ドルを割り込んだ。
次にビットコインのチャートを確認する。資料2はビットコインのチャートだが原油価格の下落とやや前後差はあるものの、3月9日より大きく下落しているのがわかる。
資料1、2より、私は原油価格とビットコインの価格は相関関係があると考えた。
● 今週の原油価格とビットコインの動きについて
では、今週4月20日~26日(1:00現在)の1週間の原油価格の下落についてのニュースとその結果、WTI原油先物価格の下落率と仮想通貨のチャートについて実際どのような動きをしていたのかを確認していきたい。
今回の新型コロナの影響で原油需要の減少 → 4月21日にWTI原油の5月物の最終取引を迎える。そのため、トレーダーは原油の仕入れや貯蔵コストの発生を避けるために、貯蔵分を手放した。そのため、WTI原油先物価格は下落し続けて、ついにマイナス価格へと突入してしまったのであった。その時のチャートが下の表のようになっており、リアルタイムで見ていた私はおそらく歴史上初めてではないかと感じたのであった。
1バレル20ドルあたりの相場が0ドルに下がっていったのがわかる。このチャートでは0円となっているが実際は米ニューヨーク原油先物5月限(WTI)の終値は、1バレル=マイナス37.63ドル(前営業日比-55.90ドル)で、史上初めてマイナス価格で取引を終えた。しかし翌日には価格をプラスに戻していた。
● 4月20日~26日のビットコインのチャート
原油価格が下がっている間に私は取引をすることができなかった。その時のビットコインの動きを私はあまり確認していないので、実際にどのような動きをしたのかを確認してみる=資料4を参照。
確かに4月20日に、ビットコインは原油と同様に下落しているが、原油相場の安定化に伴い価格は緩やかに上昇局面であった。
今週は原油価格が大荒れであったので、傍観主義でいた私なのだが、ただ眺めているだけで市場へ参加をしないのはつかめるチャンスも逃してしまうのではないかとやや危惧する。取引をするように努めたい。
◆児山将のワンポイント・アドバイス!
仮想通貨にも原油の話題ということで、先週は原油先物のマイナス価格が株式市場に波及し、そこから仮想通貨にも影響したのではないでしょうか。仮想通貨はすっかりその他の金融市場の動向にも反応するようになっていますが、これは仮想通貨が金融商品のひとつとして認められてきた証拠とも言えそうです。
コロナショックを経て、土日のニュース次第で週明けの株式市場の動きを先取りするようにビットコインが先んじて売買されるようになっており、そのあたりにも注目してもらえればと思います。
1万円からの損益 プラス・マイナスゼロ
4月24日現在 1万円