緊急提案!パチンコ依存症は入店時に身元確認しろ 新型コロナ罹患でも「社会保障」を適用しなければいい(鷲尾香一)

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   ゴールデンウイーク(GW)に突入した。例年ならGW期間中は多くの人が観光地などに出かけるが、今年(2020年)は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛措置が取られている。

   こうした状況のなか、休業要請を受けながら営業を続けているパチンコ店が社会問題となっている。

  • 休業しないパチンコ店に自治体は厳しい姿勢で臨んでいる
    休業しないパチンコ店に自治体は厳しい姿勢で臨んでいる
  • 休業しないパチンコ店に自治体は厳しい姿勢で臨んでいる

感染リスクは「自己責任」という開き直り

「休業すれば従業員の雇用を維持できないし、潰れる可能性がある」

と、営業を続けるパチンコ店の関係者は主張している。飲食店・居酒屋などが夜20時まで営業が許されているのに、なぜ、パチンコ店はダメなのかという当事者の言い分もあるのだろう。

   しかし、多くのパチンコ店が休業していることで、営業しているパチンコ店に他県や遠方から客が押し寄せていることで、「3密」状態が発生していることも、また事実だ。

   こうした休業要請に応じないパチンコ店に対して、都道府県知事は次々に新型コロナウイルス特別措置法による措置を打ち出している。特措法は第45条で感染を防止するための協力要請などを定めている。

   45条第1項は外出自粛要請だが、第2項では都道府県知事が定める期間において、「施設の使用の制限もしくは停止または催物の開催の制限もしくは停止、その他政令で定める措置を講ずるよう『要請』することができる」としており、パチンコ店への休業要請はこの第2項によって措置されている。  要請が受け入れられない場合には、第3項で、「要請に応じないときは、都道府県知事は、特に必要があると認めるときに限り、施設管理者等に対し、要請に係る措置を講ずべきことを『指示』することができる」とし、一段強い措置が取れる。それでも指示止まりだ。

   要請に応じないパチンコ店名を公表しても、法的な拘束力や罰則がないため、実効性に乏しい所以である。このため、要請に応じないところに対して、法的措置を制定するべきとの声が急速に強まっている。

   だが、「客が来るから店を開ける」のか、「店が開いているから客が行く」のかは、卵が先か鶏が先かの議論だ。そのうえ遠方から遥々パチンコ店に行く、いわば「ギャンブル依存症」に近い人種は、新型コロナに感染するリスクも「自己責任」と開き直っている人も多い。

パチンコ依存症の人の治療費も「社会保障」で賄われる

   だからといって、「自己責任」とはどのようなことを指すのか、自由とは何かといった哲学論争をしても始まらない。

   しかし、こうした人たちが感染しても、新型コロナウイルスは感染症法に基く「指定感染症」に指定されているため、感染確認の検査から感染した場合の治療費まで、一切が公費で賄われ、本人負担はない。「社会保障」の枠組みの中で賄われるのだ。

   そして、その費用は遡れば、感染者の治療に日々立ち向かっている医療従事者や、自粛要請を受け入れ、収入が大幅に減少しても耐え忍んでいる多くの人たちが支払った税金から拠出される点には、なんとも納得がいかない。どこか大きな矛盾を感じる。

   であれば、新型コロナの感染リスクを自己責任と捉えパチンコ店に行く人たちと、営業を続けるパチンコ店には、入店の際に客の身元確認を義務付け、それを記録することで感染した場合の治療費の全額を、「自己責任」として客と店が負担する仕組みを取り入れればいいのではないか。

   おそらく、身元確認をするとなれば来店客は大幅に減少するだろうし、パチンコ店側もその対応の煩雑さを考えれば、休業を選択するのではないか。

   たとえば、自動車の自賠責保険は飲酒運転をして事故を起こした場合には適用されない。新型コロナも同様に、リスクが高いことを知っていて、そのリスクを受け入れるのであれば、「社会保障」は適用されないという形式を取り入れるのだ。

   さらに、パチンコ店に対しては休業支援金や公的な融資制度が利用できないというペナルティを課すのも一案だろう。いずれにしても、短時間で効果のある方法でパチンコ店に休業要請を受け入れてもらうことが、感染拡大防止には重要だ。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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