「ゾーンニング」はテント専門の会社にお任せ!
●大王製紙がマスク国内生産、7月には月2600万枚へ
ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの「エリエール」ブランドを展開する大王製紙(東京都千代田区)は2020年4月27日、新型コロナウイルスの感染拡大によるマスク不足に対応するため、子会社の工場で不織布マスクの生産を開始したと発表した。
大王製紙は従来から、中国など海外の協力工場で不織布マスクを生産、販売してきた。新型コロナの影響で需要が急拡大したことを受け、安定的な供給への貢献を目的に、子会社エリエールプロダクト(愛媛県四国中央市)の栃木工場に月1300万枚の生産可能な最新鋭の設備を導入、生産を始めた。
当初は月400万枚の規模で運転。医療機関や介護施設への供給を優先する。その後、生産ペースを上げる計画で、一般向けにも販売する見込み。
2台目の設備の導入も予定されており、7月には生産能力を月2600万枚まで引き上げる。
●防護服の代替に、アトラクション用ポンチョを寄贈
株式会社よみうりランド(東京都稲城市)は、「よみうりランド」遊園地(稲城市、神奈川県川崎市)に備蓄しているポンチョ(雨合羽)を、稲城市に1万枚、川崎市に2万枚を寄贈した。4月27日の発表。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療現場で防護服の不足が深刻化するなか、雨合羽が代替品となることが指摘され、同社から両市に寄贈を申し出た。
寄贈したポンチョは、急流下りのアトラクション「スプラッシュU.F.O.」で販売用に備蓄していた。なお、よみうりランドは当面のあいだ休園している。
●予防に有効! 「ゾーニング」にテント使ったプラン
テントハウスの設計・製造・販売の静岡市の株式会社もちひこは、清潔な区域と不衛生な区域とを分ける、新型コロナウイルスの感染予防に有効とされる「ゾーニング」の低コストプランを用意。4月27日に発表した。
プランは、同社が創業(1987年)以来携わる膜材を使用したテントハウスの設計・施行の技術を生かして開発したという「TENTINTENT(テントインテント)」を使って、建物や施設内を区域分けして密集・密接を回避することで、飛沫感染リスクを軽減する。
膜材を使用したテントインテントは、軽量かつ優れた施工性が特徴。環境や用途に合わせて、大きさ、構造など自由に設計できるので、展示場や体育館、医療機関、学校、工場などさまざまな場所で設営できる。
同社はテント専門の強みを生かし、一貫工程の短納期、低コストで提供するとしている。
梅酒メーカーがアルコール度数「65%」にとどめたワケ
●梅酒メーカーが高濃度アルコールを製造、販売
梅飲料や梅果実加工品の製造・販売を行っている和歌山県上富田町のプラム食品株式会社は4月28日、アルコール65%の高濃度アルコール製品「プラムスピリッツ」(720ミリリットル、税込1680円)を発売した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、医療用、家庭用でのアルコール消毒液が不足していることに対応した。
厚生労働省は3月下旬、消毒液を確保できない場合に医療機関が高度数の酒類で代替することを認め、その後、酒製品に「手指消毒に使用可能」と表記することも認めた。
ただ、条件として示されたアルコール(エタノール)濃度は「原則70~83%の範囲内」とされた。同社によると、アルコール濃度が70%を超えると引火の恐れが高くなり、消防法の問題があるほか、業者による配送ができないため、「65%の高濃度アルコール」の販売にしたという。
消毒薬の認可を受けるためには時間がかかるため、消毒や除菌目的の商品ではなく「アルコール度数の高い酒」としての販売で、酒税がかかる分、値段が高くなる。そのためコストをなるべく抑え、ラベルなども簡易にした。
●本格焼酎の会社も高濃度製品
鹿児島本格焼酎を手がける株式会社薩摩恵比寿堂(鹿児島市)は、提携蔵元の翁酒造株式会社(福岡県古賀市)と、手指消毒用エタノールの代替品として高濃度エタノール製品を開発。ECサイトや自社のサイトで販売を始め、4月28日から発送を開始した。製品は、アルコール分65%の「酔神65」(500ミリリットル、参考小売価格1680円=税別)
「酔神65」を使って「400ミリリットル消毒スプレー」でアルコール濃度40%の消毒液を作る場合、「酔神65」250ミリリットルに対し、希釈水を150ミリリットル加える。また原液のまま、手指消毒用として使用できる。
● 過酷化な医療従事者に安息・安眠を
特定非営利活動法人京都SEINEN団(京都市)は、保有している休業中のゲストハウスを、過酷な医療現場の従事者らに利用してもらおうと、医療機関を対象に無料で貸し出す。4月28日の発表。
ゲストハウスがあるのは、京都市東山区。最大5人が過ごせる1ルームで、システムキッチンやバス・トイレの設備がある。無料の貸出期間は、5月1日から6か月間。新型コロナウイルスの状況を考慮し、期間を延長することも検討している。