新型コロナウイルスの感染拡大による、金融市場への影響が少しずつ落ち着いてきました。仮想通貨相場も底を打ち、年初の価格に戻ってきています。
長引く自粛モードは、今後の実体経済への影響が心配になるところですが、仮想通貨に関する明るい材料をお伝えしたいと思います。
仮想通貨は春から初夏にかけて盛り上がる!
過去4年の値動きを見ると、毎年4月から6月にかけて、仮想通貨市場は全体的に上昇傾向にあります。なかでも、その代表格の「ビットコイン」です。
2019年に3月には40万円だったビットコインが、6月には150万円まで上昇したことは記憶に新しいでしょう。また、「仮想通貨元年」と呼ばれた2017年も、4月からビットコインが大きく上昇していきました。
では、2016年から2019年の月別のビットコインのパフォーマンスと勝率を見てみましょう。
パッと見てもわかるように、4月から6月にかけて上昇傾向が強くなっています。単純に、毎年4月1日に買って6月末にビットコインを売却すれば、投資資金が80%ほど増えている計算になります。
▼計算式(投資資金を100とした場合) 100×23.91%(4月)×32.33%(5月)×11.68%(6月)=約183(%)
こんなにおいしい話があってもいいのでしょうか。そもそも、なぜこの時期にこれほどまで上昇しているのでしょう。それは大きな理由が4つ、考えられます。
【仮想通貨が上昇する理由】
・ マイニング市況の好転
・ 新規投資マネーの流入
・ 大規模イベントの開催
・ 法整備の進展
では、それぞれ解説していきましょう。
中国が雨季になる4~6月はマイニング市況が好転する
【マイニング市況の好転】
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の承認作業に欠かせないマイニング。このマイニングが盛んに行われると、仮想通貨にとってプラスになるとされています。
マイニングが盛んな中国では、4月から6月雨季に入り水力発電が主力になります。水力発電は電気代が安いため、マイニングのコストが安くなり、稼働するマイニングマシンが増えるため、仮想通貨にとってプラスになりやすいという流れがあります。
【新規投資マネーの流入】
日本では、4月は新年度入りとして新規マネーが流入しやすくなります。また、新社会人などは少額投資先として仮想通貨を選択する傾向にあり、海外でも若い世代の積極的な仮想通貨への投資が行われています。
また、米国では確定申告の還付金を投資に回す人が多くいます。日本と違い投資人口は多いですし、また所得を得たほとんどの人が確定申告書を申告する必要があるため、その金額はかなりのものになるでしょう。さらに、還付金をビットコインで受け取ることもできるのです。
【大規模イベントの開催】
2016年以降、ブロックチェーン・仮想通貨の最大級のイベントとして、コンセンサスがあります。これは、アメリカの仮想通貨ニュースメディアであるCoinDeskがニューヨークで開催するカンファレンスで、業界の主要企業や開発者、投資家などの著名人が参加します。これからの業界の知見を話し合ったり、新しい発表が行われたりするため、登壇者の関連する仮想通貨は思惑で買われることが多々あります。
【法整備の進展】
2017年4月1日に改正資金決済法(仮想通貨法とも呼ばれる)が施行され、ビックカメラでビットコイン決済が開始されると発表されました。このことで、一気に仮想通貨が世の中に認められたのではないでしょうか。
2019年には、大手取引所であるbakktのビットコイン先物のスタートや、イーサリアムの投資信託が米国の金融規制機関から認可されるといったことがありました。
仮想通貨は株式よりも買われている!
それでは、2020年はどうでしょうか。残念ながら、大規模なイベントは新型コロナウイルスの感染拡大の影響でバーチャル開催となり、法整備に関しても優先度は低くなりそうです。
しかしながら、マイニング市況は例年と変わらず好転しますし、ビットコインは5月前半に4年に1度の「半減期」があります。
参考リンク:「上昇するビットコイン! その背景にある半減期とはなにか?(ひろぴー)」(J-CASTニュース 会社ウォッチ2020年3月10日付)
コロナショックで、ビットコインは一時の高値から半分以下に値下がりしてしまいましたが、記事執筆時点(2020年4月24日)では年初の価格に戻ってきています。これは、米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価や、東京市場の日経平均株価はもちろん、新型コロナウイルスが終息したとされている中国・上海総合指数を見ても、高い水準となっています。
つまり、ビットコインが主要な金融商品である株式指数よりも買われているということです。
世界中が未曾有の危機に見舞われるなか、「有事の金」として金価格は年初来高値を更新しています。これは「デジタルゴールド」といわれるビットコインにとっても追い風でしょう。実体のないビットコインですが、今まさにキラリと光っているのではないでしょうか。(ひろぴー)